2009.06.21

欧州路面電車の想い出

雨模様なので和室で横になって、獅子文六の「ちんちん電車」を読んでいたら、欧州の路面電車の事を想い出した。
日本で路面電車を見かける都市は数限られるが、欧州ではかなり小さな地方都市でも現役で路面電車(トラム)が活躍している。欧州の都市を交通網で格付けするならば、空港がある町は大都会、鉄道の国際列車が発着する中央駅があれば大都市、地下鉄があれば中都市、路面電車が走っていれば小都市、バスしかなければ町か村、というような区分ができると思う。
欧州生活中に撮った写真があるので、そのいくつかを紹介しよう。

Frankfurt_2まずフランクフルト。これは旧式の車体で3両編成。新型は低床でエアコンも付いているが、この無骨な旧型が好きだった。フランクフルトの路面電車網は、街の外の森を抜けて、隣町の町外れに達している路線もあって、近郊電車の役割も兼ねていた。

Berlinこれはベルリン。旧東ベルリン側の路線を走る車両。

Dsseldorfデュッセルドルフの広告車両。デュッセルドルフは旧式車両が多かった印象がある。

Dresdenドレスデンの無骨な車両。このダサいデザインが旧東ドイツらしい。ドレスデンには地下鉄がないので、重要な市民の足でもある。

Erfurtドイツ中部の小都市エアフルトのレトロな車両。観光用に動態保存されているのか、バリバリの現役。こんな小さな街にも路面電車網があるのが不思議。

Gteborg北欧スウェーデン第2の都市ヨーテボリの重戦車のような車両。北欧人の巨体に合わせてなのか、とにかくデカイ。軌道幅もかなり広かったと思う。

Antwerpenベルギーのアントワープの旧市街を進む車両。こういう狭い道をクルマとトラムが一緒に走る。

Brussel最後はブリュッセルのトラム博物館から休日観光用に出動した車両。これ以外にも数多くの歴史的な車両が動態保存されていて、ときどき走っているのを見かけた。

欧州の街に住むならば、良いオーケストラと、強いフットボール・クラブがあって、洒落たトラムが走っている街を選ぶべきだ。

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2008.11.03

日本に適したクルマ

この三連休はクルマで少し遠出をした。
帰国してから中古で買った軽自動車は、まずまず快適だ。
660cc直列4気筒のエンジンは、四千回転程度で時速120キロメートルの巡航速度を無理なく保てる。車体の硬性も高く、高速走行でも運転に不安はない。無段変速機もシームレスな加速を生み、乗り心地にも全く不満はない。
燃費を計ってみたら、1リットルで17キロメートル程度走った。ガソリンの値段に換算すると、1キロメートル走るのに10円以下だ。渋滞時間もあった割には、優秀な燃費だ。
中古で買ったのに、カーナビゲーションとETC車載機を装着したので、新車とあまり変わらない値段になってしまったが、大排気量のクルマに比べれば数分の一の出費で済んだ。
R2

日本の道路環境では、軽自動車が総合的に優れていると思う。狭い市街路と、中速の自動車専用道路では、小さな車体と低排気量のエンジンが適している。
ドイツに住んでいた頃は、アウトバーンを走行する都合上、2リットルのガソリン・エンジンのクルマを使っていたが、ベルギーではその必要もなく、1.8リットルのクルマに乗り換え、それで充分だった。
それでもやはり、欧州大陸をグランド・ツーリングするとなると、3リットルを越える大排気量のドイツ車などは、運転の疲労も少なく、非常に魅力的だ。ただそれを日本列島で使う必要性は全く感じない。
アウトバーンを180キロ以上の巡航速度で、安全に長距離走行するためのクルマと、狭く曲がりくねった渋滞の首都高を低燃費で走るクルマは、全く違った乗り物であるべきだろう。

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2008.10.26

大いなる帰還

「大いなる」という形容詞は不要かもしれませんが、、、
日本に帰ってきました。
ドイツに2年、ベルギーに1年半の欧州生活に終止符を打ち、日本に帰って参りました。
あーあ、もう少し欧州を満喫したかったのに、まあいろいろと事情があっての帰国です。そんな訳で引越やら何やらで、すっかり忙しくて、このブログの更新が滞っていました。
さて、日本はやっぱりいいですね。海があって、山があって、田圃があって、大都会があって、、、えーと、それから、何より日本食が安くて美味い! ラーメンだって、カレーライスだって美味い!
うーんと、それから、本屋に行くと日本語の本がいっぱいあって、目が回るほどですね。
でも朝、満員電車で仕事に行くのは、凄く辛い。こんな苦痛を毎朝味わっているのは、世界広しと言えども、日本人だけじゃないでしょうか。
てな具合で、今はまだ外人目線で、日本にびっくり&新鮮を感じてます。
またボチボチ音楽や本のことを、ここに書きますね。

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2008.06.25

何日是帰年

江碧鳥逾白
山青花欲燃
今春看又過
何日是帰年

杜甫の五言絶句である。
自己流に読み下してみると、、、

川の流れの碧さに、鳥の白さが際立って見え、
新緑の山々には、花々が燃えるように咲き誇っている
この春もまた、眺めているうちに過ぎ去ってゆく
いつになれば、ふるさとに帰るときが来るのだろう

たぶんこの心境は、単純なホームシックなのではなく、旅愁とも言えるような気分なのではないだろうか。
何年も異郷で春を迎え、その美しさに心打たれながらも、このままずっと異郷暮らしを続けても良いのだろうかと心が揺れている。
これにはまるで、帰りたいという欲望との葛藤ではなく、帰らなければならないという宿命との葛藤さえも感じる。
少し深読みしすぎているのかもしれないが、今はそう感じる。

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2008.04.16

ビールの話を少々

夏時間になって、すっかり日が延びて、夜8時を過ぎても外は明るい。9時を過ぎる頃にやっと暗くなる。
こういう季節になると、平日でも帰宅後に近所の公園をジョギングできる。ジョギング後の楽しみと言えば、勿論ビール!
とは言っても、ベルギーに暮らし始めて1年になるが、日本の諸兄がイメージするベルギー・ビールとやらをほとんど飲んでいない。いつも買うのは、日本人が見向きもしない、地元労働者が飲むような格安庶民ビール。不味くはないが美味くもない。
そんな向上心のない暮らしの中で、先週の日経新聞土曜日版に「おすすめのベルギービール」10選が載っていた。いずれも小洒落た銘柄ばかり。とは言え、ここは虚心坦懐、ものは試しと、その記事のコピーを手に、第2位にランキングされていたDuvelデュベルを近所のスーパーで購入。330ml瓶6本セットで5.48ユーロ。この値段はベルギーでも高価な部類。庶民は普段買わない。ところが日本の正規輸入代理店の希望小売価格を知ってビックリ! 1本なんと525円。ヨーロッパ人は絶対に買わないと断言できる。
Duvel
値段の事はともかく、飲んでみると流石に美味い。苦くて濃くて、アルコール度数も8.5%あって、飲み応えがある。
2年間のドイツ暮らしで、「ビールはドイツに限る」という先入観から、ベルギー・ビールを飲み損ねていた。
ごめんね、ベルギー・ビールちゃん。これからはガブガブ飲むからね。以上、ホロ酔い気分で書きました。

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2008.02.25

桂枝雀「地獄八景亡者戯」

Shijyaku落語のDVDを観た。戦慄した。
この桂枝雀による「地獄八景亡者戯」は随分昔にテレビで観た記憶があった。但し、1時間番組で放送されたのは前編だけ。演目の長大さに驚いたのと、続きが聴きたい気持ちが強く残ったのを憶えている。このDVDでは、なんと休憩を挟んで、前後編全て収録されている。
元々は上方の古典落語なのだが、初めて聴いたときは、枝雀の創作落語だと思っていた。原型は江戸時代の町人噺のようなのだが、設定は現代風なのだ。
ストーリーは言うなれば地獄見物。あの世に辿り着いて、閻魔大王の裁きを受けるまでの珍道中である。地獄もすっかり資本主義の観光地のようになってしまっている。
この演目も何人かの名人が取り上げているようだが、落語もクラシック音楽と同じで、作品を演者がどう再現するかによって、全く別の面白みを味わえるようだ。
「戦慄した」と書いた訳は、枝雀の凄さだ。感心したのは、作品と現実が交錯する不条理を取り入れていた箇所だ。落語の中で落語を始めてしまったり、登場人物に自分は登場人物だと言わせたりしている。変だと思う気持ちが、おかしいのだ。
そしてこの天才は首を吊って、自らこの作品の中へと旅立ってしまった。枝雀師匠、このオチはおかしいと思います。

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2007.10.18

うなぎの思ひ出

ベルギーにも、うなぎの料理があります。蒸した(?)うなぎにグリーンソースをかけたもので、個人的には×です。
思い起こせば、生まれて初めてうなぎを食べたのは小学4年生のときでした。夏休みに家族で母の郷里である長野県岡谷市に行ったとき、町のうなぎ屋で蒲焼を食べました。それまではうなぎなんて海蛇の親戚だと思って気味悪がっていて、それを美味そうに食べる両親をゲテモノ食いの変人だと思っていました。
「試しに食べてご覧」と母に薦められ、幼い妹は無邪気に差し出されたうなぎをパクリと食べました。「お兄ちゃん、これ美味しいよ」と顔を覗かれた自分は、兄としての威厳を保つために、勇気を振り絞り一口食べてみました。それは予想に大きく反して、なんとも美味いものでした。父は始終黙って微笑んでいました。
月日は流れ、今も日本に行くと、必ずと言っていいほどうなぎを食べます。老舗と自称する店で高価な特上を食べたりもしますが、初めて食べたあの日の味には勝りません。これはきっと味覚の記憶が昇華されているのだなと思っていたところ、先日ひょんなことから今になって、岡谷がうなぎの名産地だと知りました。たぶん諏訪湖で養殖しているのでしょう。
父や母は今もあの日のことを憶えているでしょうか? 妹はきっと忘れているでしょう。

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2007.09.24

クルマが消えた日

朝寝坊した11時頃、クルマで出かけようと思って、アパートの地下駐車場から、表道路に出てみると、ん???
クルマが1台も走っていない。我が家の前は、片側3車線の幹線道路で、休日でもクルマの絶えることなどないのに。
その車道には、自転車が気持ち良さそうに悠々と走っている。更には、馬までがパカパカと歩いているではないか!
これはもしかして、噂に聞いた「クルマに乗っちゃ行けない日(名称不明)」なのかもしれない。このブリュッセルには、そんな日があると聞いていた。
そのままクルマを車庫に収め、徒歩で出かけることにした。普段交通量の多い道路には、自転車やローラーブレード、スケートボードなど、エンジンのない乗り物が走り回っている。ただ例外として、バスとタクシーが遠慮勝ちに走っていた。街の中心部へと近付くと、自転車の量はますます増え、市民がこんなに自転車を所有していたのかと驚いた。
今日一日、雲一つない晴天で、気温も上がり、夏が少しだけ帰ってきたようだった。

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2007.09.21

豚の耳の唐揚げ

昼にオフィスの近所の肉屋へ、サンドウィッチを買いに行った。
ふと、肉の並んだガラスのカウンターの上を見ると、皿に山盛りになった豚の耳の唐揚げがあるではないか。キツネ色に揚げた耳は、いかにもカリカリとした歯ごたえがありそうで、美味そうに見えた。掌ほどの大きさで、ちょっとグロテスクではあるが、我々東洋人には食材として違和感ない。ミミガーみたいなものだ。
「これって、豚の耳?」と尋ねると、「そうですよ」と店員の青年が笑顔で答えた。
値段が書いていない。いくつか買って帰って、細く刻めば、ビールのつまみになるな、などと考えていたら、店員曰く、
「犬が喜んで食べるんですよね。」

結局買わずにオフィスに戻り、ベルギー人のスタッフに「中華料理で豚の足があるのを知っている?」と遠まわしに話題を振ったら、「ベルギーでも肉屋で売ってますよ。スープの出汁に使うんです。」
食文化も多様だなというお話。めだたしめでたし。

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