2012.04.26

御手洗瑞子著「ブータン、これでいいのだ」

Tamaco
ブータン首相フェローをしていた人が書いた本。非常にバランスの良い本。
ブータンのファンタジックな面ばかりではなく、インドと中国という両大国に挟まれた難しい外交政策や、バブル気味の経済、失業や医療問題についても書かれており、読み応えもあった。
GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)という概念による国家政策も、単なる理想論ではなく、よく考えられたビジョンであることも理解出来た。
もちろんブータンの人々のメンタリティーや暮らしぶりについても書かれており、特に立派な前国王の存在には心打たれるものがあった。素晴らしい政治手腕を発揮し、自ら民主化を推し進め、反政府武装勢力に対しては、自ら兵を率いて鎮圧したそうだ。

以下はラジオ出演した際のトーク。
TBS RADIO 954kHz 柳瀬博一・Terminal「The Point of View」2012年03月02日

先週、著者の話をお聞きするチャンスもあり、本にサインもいただいた。
本も面白いのだが、著者の今後の活動にも大いに注目している。

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2010.01.18

坂本龍一 × 枝廣淳子 = エコロジー対談

坂本龍一がRADIO SAKAMOTOで、枝廣淳子エコロジー全般について対談していて、勉強になった。

なるほど、やっぱり原子力発電って不経済なんだね。でもバイオマス発電っていうのも、現段階での経済効率性はどうなんだろう。
化石燃料依存社会の終焉にさしかかって来た実感がした。

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2009.01.13

ソニーとトヨタ、赤字記念限定モデル

Vaiotypepソニーは2009年3月期の連結営業損失が1000億円になる見通しを発表した。これを記念してVAIO type Pの赤字記念限定色モデル「クライシス・レッド」を発売することになった。また同モデルには、収支シミュレーション・ソフト「皮算用」が特別にインストールされている。

Newpriusトヨタも連結営業損失1500億円を記念して、デトロイト・モータショーで発表したばかりの新型プリウスの限定色モデル「プレミアム・レッド」を5月に発売する見通しだ。更にこの限定車には、バック・ファイヤーを強化した特別仕様車「ファイヤー・カー(火の車)」も用意されている。

以上、真っ赤な嘘。

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2008.08.09

グルジアとロシアの武力衝突を考える

日本でどの程度報道されているのか分かりませんが、大変なことが起こっています。
グルジアとロシアが武力衝突を起こし、すでに千人以上の非戦闘員が殺されているのです。現段階で宣戦布告をしているわけではないので戦争とは言えませんが、本格的な空爆も行われているようです。
ところがこの地域に関しては、日本人には馴染みのない場所なので、そもそもどこで、何が起こっているのか、よく分からないかもしれません。
Georgia左の地図のとおり、グルジアは黒海の東にあり、北にはロシア連邦に接しています。グルジアはGeorgiaと書き、英語ではジョージアと発音します。グルジアは1991年までソビエト連邦に加盟していましたが、ソ連の崩壊により独立しました。
Ossetia今回の紛争となっているのは、グルジア北部のオセチアという地域です。このオセチアはグリジア人とは異なるオセチア人が住んでおり、グルジア共和国の中でも、南オセチア自治州とされています。この南オセチア自治州は1993年に、南オセチア共和国として独立宣言をしていますが、グルジア共和国はそれを認めておらず、国際社会も承認していません。
さてその南オセチアの後ろ盾になっているのがロシアです。ロシアは平和維持軍という名目で軍隊を南オセチアに駐留させていました。

以下、個人的な考察として、、、
ではなぜロシアがそれほどまでに南オセチアに肩入れするのかというと、理由は二つあります。
一つ目は石油です。カスピ海の石油を欧米に輸出する際、グルジアはパイプラインの中継ポイントになっています。カスピ海沿岸のロシア国内でも石油が出ますので、そう言う意味ではロシアにとってグルジアは商売敵の物流子会社のようなものです。グルジアはパイプラインを人質にロシアを見捨てて欧米に急接近しているのです。
理由の二つ目は、グルジアがNATO加盟を目指していることです。ロシアとしては踏んだり蹴ったりです。石油の利権を失い、喉もと(南側だから「股間」とも言える)にナイフを突き付けられているのです。
つまり状況的にはロシアが追い詰められているのです。追い詰められた猫がネズミに噛み付き出したようなもです。ロシアにとってオセチアは最後の切り札なのかもしれません。
国際紛争は力のバランスが崩れたときに生じます。今回も民族の自立などと言う綺麗ごとではないのです。

そこで今後の展開を予想してみましょう。
ロシア株式会社は今、プーチン会長とメドベージェフ社長の体制になりました。依然として実権は会長が握っていますが、社外的には社長を前面に立てようとしてます。蝮の会長は、社長に攻撃の火ぶたを切らせ、自分は火消し役になるつもりのようです。事実オリンピックの開会式出席で北京入りした会長は、「戦争は誰にとっても不要だ」と各国首脳に言い回っているようです。
ロシアがどこまで欧米の譲歩を引き出せるかが見物です。例えば国連の平和維持軍を引っ張り出せば、ロシアもそれに図々しくも加わることになるでしょう。そうすればグリジアのNATO加盟は当分お流れです。さらに上手くいけば、石油の蛇口としてグルジアの国際的信頼度を失墜させることができます。
ロシアの今回の一手は、勝ちはしないが、負けにはならない、引き分けに持ち込む戦略のようです。
さてそれに対する欧米諸国(特にNATO加盟国)は、案外ロシアの戦略に対してウエルカムなのかもしれません。彼らにしてみれば石油は欲しいが、軍隊(NATO軍)は出したくないのが本音です。つまりグルジアがNATOに加盟したら、民族紛争のたびにNATO軍を送らなければなりません。バルカン半島の苦い経験はもうコリゴリなのです。
そこまで考えると、今回の紛争は出来レースだったのかもしれません。オリンピックに花を添える余興だったのかもしれません。
更にアメリカ大統領選の両候補それぞれの立場から、考えてみるのも面白いですね。

んん、ちょっと飛躍し過ぎたかもしれません。不謹慎でした。

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2008.06.27

ユーロ2008からヨーロッパを考える

Euro2008最近の楽しみは、テレビでサッカーを観る事だ。そう、今ヨーロッパはユーロ2008UEFA欧州選手権)で盛り上がっているのだ。キックオフはこちらの時間で夜8時45分。ゆったり家でテレビを観るには最適の時間帯だ。
この欧州選手権も、ワールドカップと同じく4年に1度開催される国別対抗の選手権で、参加できるのがUEFA(欧州サッカー連盟)加盟の国だけ。つまりヨーロッパ限定のワールドカップのようなもので、その盛り上がり度合いはワールドカップ以上かもしれない。
各国の街中の熱狂度も勿論、テレビ中継で映るスタジアム貴賓席でも、ドイツのメルケルおばちゃんが、少女のようにキャッキャと喜んでいるし、スペイン皇太子も本気のガッツ・ポーズを見せている。
日曜日には、このドイツとスペインで決勝戦が行われる。
さて今回のユーロ2008で、特に印象的なのは、ロシアとトルコがベスト4に残ったことだ。両国とも準決勝で敗退したものの大健闘だった。経済的に発展途上のロシアとトルコが、サッカーでも力をつけてきたことは、何か新しいヨーロッパを象徴することのように思える。

そこで、ふと思ったのだが、そもそもロシアとトルコはヨーロッパなのか?
両国ともUEFAに加盟しているから、サッカーでは間違えなくヨーロッパの一員である。ところが両国ともEUには加盟していないし、通貨もユーロではない。
西ヨーロッパの人たちの気持ちの上では、ロシアをヨーロッパと手放しで言うには抵抗があるようだし、トルコに至ってはヨーロッパではないという雰囲気が強い。
しかしこの感覚上のカテゴライズも、(それこそサッカーの影響もあって)今後変わっていくだろう。つまりヨーロッパという概念は拡大しているのだ。

ここでまた少し下らないことを考えた。以下馬鹿話ですから、本気にしないでね。

アジアの片隅にある日本という国は、宙ぶらりんな国である。地理的にはアジアに属するが、日本人の意識には自分たちがアジア人である意識がない。日本人が「アジア」と言う時、そのアジアには日本が含まれていない。政治経済的に日本は、アジアよりむしろアメリカ合衆国とのつながりが強く、アメリカの属州、植民地だと考えるのも間違えだとは言えない。ところがそのアメリカは最近世界で信頼と人望がない。良い友達を選ばないと、自分の信頼も失うことになりかねない。
そこでどうだろう、日本がヨーロッパに仲間入りしてみては?
例えば、日本がEUに加盟する。通貨をユーロにする。パスポート不要でヨーロッパと行き来できる。貿易でも関税なし、為替リスクなし。EUに加盟しても、もちろん国家としての日本の自治権は残るし、皇室も残る。日本語を公用語にし続けても全く問題はない。
安全保障面でも、何かと物騒なアメリカと一旦手を切って、NATOに入った方が安全だ。アメリカだってNATO加盟国だから、不義理にはならないだろう。
サッカーでもUEFAに加盟しよう。予選を勝ち抜けば次のユーロ2012に出場できる。
ただ心配事もいくつかある。人の行き来が自由になるので、低所得の東欧人が日本に入ってくる。でもそういう人たちを再教育して労働力にすることもできる。東欧には美女が多いので日本も少し華やかになる。
もうひとつ思いつく最大の問題は、日本がUEFAに加盟したら、ワールドカップ予選を突破することが、あと100年ぐらい無理になることだ。

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2008.02.03

オバマの演説

民主党の大統領候補の一人であるオバマの演説に人気があるそうだ。YouTubeでいくつか観たら、流石に巧い。

サウスカロライナでの勝利演説 2008年1月26日

最後まで聞いてしまう。


特に2004年7月27日の演説での、以下のフレーズが評判が良いそうだ。

There's not a liberal America and a conservative America; there's the United States of America. There's not a black America and white America and Latino America and Asian America; there's the United States of America.

成る程、大局的な視点で対立軸を超越して、大統領としてあるべき姿を示しており、なかなかの名演説であるが、所詮アメリカ合衆国という国家観を超越していないように思う。
ブッシュの世界的な不人気は、アメリカ至上主義にあった。次期大統領にはその払拭と、地球規模の問題への取り組みが求められている。自国益だけを優先した発想では駄目なのだ。アメリカのためならば、環境破壊も戦争も許されるような理屈になってしまう。
まあオバマはそんなに悪人ではないようだが、そう思っているアメリカ人も少なくないので、アメリカを治めるのは簡単ではないと同情する。
世界と人類のためならば自国の犠牲も惜しまないと言える政治家が、大手を振って歩ける社会の実現はいつのことだろうか。

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2008.01.17

「激流中国」を観て

年末年始に日本に行っていた。本とDVDをごっそり買い込み、更にテレビ番組もいくつかDVDに録画して持ち帰った。
その中で衝撃だったのは、再放送されていた「激流中国」の「富人と農民工」の回である。この番組は相当反響があったようで、今更ここに書くには及ばないのだろうが、とにかく驚いた。
中国での貧富の格差について、噂には聞いていたが、あれほどに凄いとは思わなかった。多分日本を含む欧米先進国を見渡しても、あれほどの格差は存在しないのではなかろうか。
ロシアや東欧諸国も急速な市場主義化により、貧富の格差は問題となりつつあるが、番組で紹介された中国のような悲壮さはない。
確かにいつの世も金持ちと貧乏人は存在し、貧乏人はどんなに苦労しても、その貧乏から抜け出せないという悲劇は繰り返されている。しかしその繰り返しの中で、社会全体の豊かさが底上げされ、貧乏の程度も少しはマシになるようだ。
成熟した欧州から見ると、中国とは得体の知れない巨大な幼虫のようである。不気味に蠢いて、成長するとどんな姿になるのか予想もつかない。そんな超大国の傍らに、冬のキリギリスのように息を潜める日本という国は、遠くから見て実に心細い。

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2007.11.05

岩田靖夫著「ヨーロッパ思想入門」岩波ジュニア新書

中高生向けの新書本なのだが、全く侮れない名著である。非常に明解な論理展開で、読んでいて気分が晴れやかにさえなる。
ヨーロッパ思想は、「ギリシアの思想」と「ヘブライの信仰」という二つの礎石の上に立っているとしている。「ギリシアの思想」とは、ギリシア神話に始まり、ギリシア悲劇や、ソクラテス、プラトン、アリストテレスへと続く哲学である。一方「ヘブライの信仰」とは、ユダヤ教として生まれ、世界に広がったキリスト教のことである。

読み終えて、こんなことを考えた。
21世紀の現代において、人類はいまだに民族、宗教、文化、慣習、言語の相違に苦しんでいる。前世紀の共産主義国家自壊により、単一的な全体主義では秩序を保てないことをようやく悟った。残された道は、それぞれの違いを認め尊重し合う多元性しかない。ところがこの多元性には「寛容」が不可欠なのだ。更に言えば、イエスが説いた「愛」が必要なのかもしれない。
「愛とは自分の好きな人に親切にすることではない」、「かかわりあいになったら厄介を背負いこむかもしれないと思われるような人に、近づいていって一緒に苦しみを背負うこと、それが愛である」と著者はこの本で解説している。
テレビをつけると、トルコでのクルド紛争を報じるニュースに続いて、ドイツ・ケルン市当局がイスラム教徒の寺院建設に難色を示していると報じられていた。ドイツには50万人以上のクルド人が住んでいると言われる。トルコは戦略的に重要なNATO加盟国であるのに、EUへの加盟は難航している。
欧州にとってイエスの教えが、2千年後の今も尚トルコ(異教徒)との関係に有効であるとすれば、それは悲劇なのだろうか、喜劇なのだろうか。

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