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2012.10.14

丸谷才一の「横しぐれ」と「樹影譚」

丸谷才一の小説は面白い。読み始めると止まらなくなる。それは謎解きの要素がふんだんに織り込まれ、次の展開はどなるのだろう?という気になってしまうからだ。
丸谷作品は概ね読んでいる。その中でお薦めなのが二編の短編小説(と言っても少し長いので中編小説とも言える)、「横しぐれ」と「樹影譚」。どちらも甲乙点け難く、自分にとっての二大傑作だ。
「横しぐれ」は、主人公の父親が旅先で出逢った貧乏坊主は、種田山頭火だったのではないかという謎解きを進めていくうちに、父親の謎が解けていくという話。
「樹影譚」は、樹木の影に不思議な気分を抱く主人公が、なぜそんな気分になるのかという自らの謎を解こうとする話。
いずれの作品も、普段ぼんやりと抱いている不思議な気分を深く掘り下げていくと、自分の中に潜む思わぬ謎が解けるというプロットが共通しており、それを読んだ自分はこの二作品に強く惹き寄せられた。悩んだり迷ったりする答えは、自分の中にあるのではないかと思わずにはいられなくなる。

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