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2012.09.22

アラウとクレンペラーによる重厚なショパン

Arrauchopin
ショパンは二つのピアノ協奏曲を残しており、いずれも20歳のときに完成させている。どちらもロマン派を象徴するような美しい旋律に彩られた傑作ではあるのだが、それを録音した多くの演奏には不満を持っていた。今まで聴いてきた録音はいずれも物足りなかった。
例えば協奏曲1番の冒頭のオーケストラ部分は、疾風怒濤の重厚さをもって演奏されるべきなのに、多くの録音はピアノ独奏までの貧弱な前奏になっている。ピアノが演奏され出しても、オーケストラは単なる伴奏のように演奏、録音されているものが多い。
まるでそれらはBGMのように、耳障りは良いが主張がなかった。もっと重厚に個性を前面に出して演奏すれば、ブラームスのピアノ協奏曲に匹敵するとずっと思っていた。
これらの積年の不満を払拭する協奏曲1番に遂に出逢うことが出来た。
 独奏:クラウディオ・アラウ
 指揮:オットー・クレンペラー
 オーケストラ:ケルンWDR交響楽団
 録音日:1954年10月25日
クレンペラーが振れば自ずと重厚になり、それに共鳴してアラウのピアノも攻めている。第3楽章ではオーケストラとピアノが掛け合いが素晴らしく、それぞれの演奏者の意志が手に取るように伝わってくる。

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