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2012.04.26

御手洗瑞子著「ブータン、これでいいのだ」

Tamaco
ブータン首相フェローをしていた人が書いた本。非常にバランスの良い本。
ブータンのファンタジックな面ばかりではなく、インドと中国という両大国に挟まれた難しい外交政策や、バブル気味の経済、失業や医療問題についても書かれており、読み応えもあった。
GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)という概念による国家政策も、単なる理想論ではなく、よく考えられたビジョンであることも理解出来た。
もちろんブータンの人々のメンタリティーや暮らしぶりについても書かれており、特に立派な前国王の存在には心打たれるものがあった。素晴らしい政治手腕を発揮し、自ら民主化を推し進め、反政府武装勢力に対しては、自ら兵を率いて鎮圧したそうだ。

以下はラジオ出演した際のトーク。
TBS RADIO 954kHz 柳瀬博一・Terminal「The Point of View」2012年03月02日

先週、著者の話をお聞きするチャンスもあり、本にサインもいただいた。
本も面白いのだが、著者の今後の活動にも大いに注目している。

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2012.04.14

中川右介著「二十世紀の10大ピアニスト」幻冬舎新書

面白く読めた。
クラシックのピアニスト10人の評伝。
10人を章ごとに紹介するような書き方ではなく、時代を追ってこの10人が入り乱れながら登場する。お互いの交流やライバル関係も、時間軸に沿って書かれており楽しめた。こういう書き方を「編年体」と言うそうだ。
また彼らの歴史的な録音も、CDとして要所要所で紹介されているのが良かった。
この本での10大ピアニストは以下の通り。

ラフマニノフ
コルトー
シュナーベル
バックハウス
ルービンシュタイン
アラウ
ホロヴィッツ
ショスタコーヴィチ
リヒテル
グールド

コルトーやシュナーベルなどは、あまり身近ではなかったので、彼らの人生は興味深かった。また比較的地味だが、個人的に好きなアラウを入れてくれているのが嬉しい。
ラフマニノフを入れるのは当然としても、ショスタコーヴィチをピアニストとして評価するのには無理があると思う。
自分としては、ショスタコーヴィチと、あまり好みではないリヒテルを外して、ミケランジェリボレットを入れてくれていたら、最高だった。

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2012.04.07

ジェイムズ・P・ホーガン著「星を継ぐもの」

Hoshiwotsugumono
今まで読んだSF小説の中で、最高傑作だと思っているのは、ホーガンの「星を継ぐもの」だ。
二十年以上前に読んだが、これを超える作品に未だ出逢っていない。
とにかく知的推理小説の最高峰とも言えるプロットが素晴らしい。

月面で5万年前の人間の遺骸が発見される。それも深紅の宇宙服を着て。
この巨大な謎が次々と解かれていくストーリーにはハラハラドキドキだ。

続編もいくつかあり、シリーズ化しているのだが、この一作だけで終わっていた方が、謎めいた余韻が永遠に残り、この作品の価値を更に高めたのではないかとも思っている。

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