木嶋真優の驚異のブラームス
エリザベート王妃国際音楽コンクールの最終選考をストリーミングで観ていて、日本人ファイナリストの木嶋真優の演奏に感動した。
彼女が挑んだのはブラームスのバイオリン協奏曲。数あるバイオリン協奏曲の中でも大曲中の大曲だ。
オーケストラが鳴り出した時、巨大なものがゆっくりと動き出すのを感じた。テンポが遅い。コンクールでこれをやってもよいのか、という不安すら感じた。ところがそれをもう止める事は出来ない。オーケストラはソリストを待ち構える巨大なる漆黒の森と化していく。
しかし木嶋はそれに臆する事なく立ち向かっていった。テンポは依然速める事なく、オーケストラとガップリ四つである。このままで行けば第1楽章でスタミナが切れてしまうのではないかと思うほどの熱演。長大な第1楽章を終え、彼女は非常に長いポーズを取った。
第2楽章は、雲間から微かに光が漏れてきたように、安息の兆しを見せた。木嶋は非常に丁寧に歩みを進めていく。
そして第3楽章は、畳み掛けるようにテンポを高め、ブラボーが待ち構えるゴールに向かって走り出した。
コンクールを聴いて、こんな心地よい疲労感を憶えたのは初めてだ。
コンクールでこの曲を選ぶのは大変な勇気だ。それを乗り越え、奇跡的ともいえる名演を残した木嶋真優に惜しみない賞賛を送りたい。
1. Sergey PROKOFIEV : Sonata n. 1 in F minor op. 80
2. CHO Eun-Hwa : Agens
3. Johannes BRAHMS : Concerto in D major op. 77
Final 28/05/2009


Comments
同感でした。時に鳥肌たちましたよ。
でもとうとう今晩で最後。いい結果でるんじゃないかなと予想してます。
Posted by: あかね | 2009.05.30 at 03:59 PM
あかねさん、審査結果は残念でしたが、これからの活動には期待大ですね。
Posted by: umex@白梅亭 | 2009.05.31 at 09:44 AM