長部日出雄著「邦画の昭和史」新潮新書
副題「スターで選ぶDVD100本」のとおり、監督別ではなく、役者ごとに著者のオススメ邦画がたっぷり紹介されている。流石、作家業の前は映画評論で食っていただけあって、なるほど鋭いと唸る本だった。
特に面白く感心したのは、
大女優の成長と成熟の段階は、
「かわいい」→「美しい」→「凄い」→「怖い」
という変化の過程を辿る。
と定義し、黒澤の「蜘蛛巣城」で山田五十鈴は「怖い」に到達したと書き、加えて、
現在では岩下志麻と浅丘ルリ子が「怖い」に近付いている
には笑えた。
また監督と女優との仲については、もう少し掘り下げて欲しかった。小津安二郎と原節子、溝口健二と田中絹代など、当時は俗な芸能ネタでも、今となっては映画史研究の新たな切り口にもなるだろう。


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