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2008.08.11

丸谷才一著「輝く日の宮」

さすが丸谷才一。とにかく巧い。これだけ作り込んだ小説を書いて、下品にならないのには、ただただ脱帽である。
乱暴に言ってしまえば、この長編は推理小説である。というか、丸谷才一の小説の多くは「謎解き」の仕掛けが組み込まれている。
本作の主人公は女性国文学者。大胆な仮説と論証で、グイグイ我々読者を引きづり込んでいく。
前半での「芭蕉はなぜ東北に行ったのか」には驚いた。ネタバレになるので書かないが、そんな理由を考えたこともなかったし、そんな学説も聞いたことがなかった。これって丸谷才一のオリジナルのアイデアなのか?
後半での源氏物語の幻の帳「輝く日の宮」については、そういう学説を聞いたことがあったので、ビックリには値しなかったが、これを最終章で再現してしまうところが凄い。
当然、謎解きだけではなく、学会やマスコミの内幕やら、男女のことなども巧くストーリーに絡ませて書かれている。
本当に面白い小説なのだが、多少文学の素養がないと楽しめないのが辛い。前半の鏡花や芭蕉はクリアしたものの、後半の紫式部と藤原道長のあたりはハードルが高かった。
それにしても丸谷才一は女を書くのが上手いなぁ。

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