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2008.07.03

村上春樹著「風の歌を聴け」

村上春樹の「風の歌を聴け」を読んでいる。毎晩ベッドで30分ずつほど読んでいる。
薄っぺらい文庫本なので、その気になれば一晩で読みきれるはずなのだが、読み始めると村上春樹の世界に迷い込んでしまって、なかなか先に進まない。
その感覚はまるで静かな美術館で点描画に向かい合っているときの気分に似ている。絵の前で長い時間足を止めていたつもりが、実際には数十秒しか経っていない。
そしてまた、この小説を読んでいると、大学生の夏休みという、人生の中でも何か不思議な時間にタイムスリップする。それはぼんやりとしたリアリティーのない世界だ。

高校のときの友人が夏の夕暮れに訪ねてきた。
奴は浪人生だったから、あのとき自分は大学1年だった。
「浪人の癖に、俺より日焼けしているな」と奴に言ったのを憶えている。
短パン姿の奴は、冷えた麦茶をガブガブ飲んだ。
蜩が鳴いていた。

訳もなくそんなことが思い出されたが、それが本当の自分の記憶なのか、それともどこかで読んだ小説の一場面なのか、自信が持てなくなった。

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