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2008.07.31

松永美穂著「へんてこ任侠伝」

今朝の日経新聞に載っていたコラムである。
著者は早稲田の先生で、専門は現代ドイツ文学なのだそうだが、このコラムはその片鱗がなく、大いに笑える。こういう文章は大好きだ。
コラムの内容は松永先生の空想の話。先生は任侠ドラマの中の「村の女その1・おまつ」。主人公である流れ者の素浪人との絡みのシーンもない地味な脇役。家は貧しい農家で、鶏を飼い、畑で野菜を育てている。たまに小料理屋を手伝いに行く程度で、貧しいながらも平和な日々を過ごす。
先生ここでフト気付く。これでは任侠ドラマにならないと。
ということで、おまつは事件に巻き込まれる。偶然に密売人の計画を知り命を狙われる。おまつは村を離れ、年老いた武道家に弟子入りしてキル・ビル風の必殺の武術を習得する。(先生、この展開はちょっと、、、)
おまつが村に戻ってみると、村はすっかり近代化され様変わり。密売人たちも既に捕らえられてもういない。
結局アクション場面が思いつかないと悟った先生は、別の設定でやり直し。

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2008.07.29

狙われた街

不可思議な事件が続いた。各地で突然精神に異常をきたした人たちが、通り魔殺人を引き起こす。犯人たちは一見何のつながりもないように思えたのだが、、、
これは現代の日本の話ではない。
1967年11月19日に放送されたウルトラセブン第8話「狙われた街」の筋書きである。金城哲夫が脚本を書き、名匠実相寺昭雄が演出した傑作だ。
ウルトラ警備隊が調査に乗り出すと、犯人たちは共通して、ある駅前の自動販売機でタバコを購入していた。ウルトラ警備隊は張り込みの末、その自動販売機にタバコを補充に来た怪しい男を尾行する。たどり着いたのは、(たぶん江東区あたりだろうか)運河に面した下町の木造アパート。ちょうど夕暮れ時で、空が赤く染まり、路地からはラジオのナイター中継が聞こえてくる。
満を持してモロボシ・ダンがアパートに踏み込むと、畳敷きの部屋にあぐらをかいたメトロン星人がいた。紳士的な態度でダンを招き入れ、彼らの企てを明かす。
 「我々は人類が互いにルールを守り、信頼しあって生きていることに目を付けたのだ。地球を壊滅させるのに、暴力を振るう必要はない。人間同士の信頼感を無くすればいい。人間たちは互いに敵視し、傷つけあい、やがて自滅していく。」

Nerawaretamachi

最近日本から届くニュースを耳にするたびに、彼らの計画は着々と進行しているのだなと思う。

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2008.07.23

Burdeos "Pangea E.P."

Burdeos

昨日、一昨日に続いて、フリーのネットレーベルで見つけた音楽を紹介します。
一昨日はポーランド人昨日はフランス人、そして今日はスペイン人のBurdeosというアーティストです。Migaというスペインのレーベルから、やはり無料で作品を配信しています。
ネットに国境はありませんが、作風には生まれ育ったお国柄が感じます。静寂の後に襲い来る、スペインらしい情熱的なドラムンベースが快感です。
これもまたまた、ジャケットが良いですね。謎のインベーダーが街にやって来た雰囲気が、音楽にも現れています。

試聴とダウンロードはこちら

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2008.07.22

Guitoud "Analogic Time"

Guitoud

昨日に引き続き、ネットレーベルから無料で入手できる作品です。
Fresh Poulp Recordsというフランスのネットレーベルに公開されている、Guitoudという人の"Analogic Time"というアルバムです。
ジャンルは、エレクトリックなダブです。
とにかく驚くほど、非常に完成度が高い。重さと暗さの奥に深い芸術性があります。これまたジャケットも良いではありませんか。
本当に素人なのでしょうか? そもそも無料で自作を配布してるからと言って、アマチュアだとカテゴライズすること自体が無意味なのかもしれません。
これほど素晴らしい音楽が無料で手に入るとなると、もう金を出して音楽を買う時代ではないのかもしれない。何か社会の仕組みが大きく変わるような兆候すら感じます。ネットレーベルは社会学的に研究の価値ありですね。

試聴とダウンロードはこちら

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2008.07.21

alkor "small suburban heartbeats"

Alkor

ポーランドのalkorという人は偉い。立派です。
なぜなら彼は自作の音楽を、ネットレーベルを通じて無料で配布しているからです。それも素人とは思えないクオリティーの高い音楽です。ジャンルに当てはめると、アンビエントエレクトロニカに入るかもしれません。ダウンロードできるmp3のビット・レートも、320kbpsという超高音質です。
ジャケットもなかなか立派なものですよね。
こうしてインターネットを通じて無料で自作を配信すると、世界中で沢山の人が、彼の音楽を楽しむことができます。これをもし、CDにして売ろうとしたら、彼の音楽は地元のCD屋で埃をかぶって終わるかもしれませんよね。

試聴は彼のMySpace

ダウンロードはKahvi Collectiveというネットレーベルのページから

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2008.07.17

Tiny Bubbles

Tinybubblesこのアルバムは、サザンの3枚目で、「涙のアベニュー」や「松田の子守唄」、「C調言葉に御用心」、「働けロック・バンド」など、今聴いても胸がギュッとする曲が収められている。
あの頃は横浜で中学生だった。詰め襟の制服を着て、日焼けして、今より女の子にモテた。無性に夏空と入道雲が思い出される。あの頃はいろいろなものがキラキラと眩しく見えた。

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2008.07.03

村上春樹著「風の歌を聴け」

村上春樹の「風の歌を聴け」を読んでいる。毎晩ベッドで30分ずつほど読んでいる。
薄っぺらい文庫本なので、その気になれば一晩で読みきれるはずなのだが、読み始めると村上春樹の世界に迷い込んでしまって、なかなか先に進まない。
その感覚はまるで静かな美術館で点描画に向かい合っているときの気分に似ている。絵の前で長い時間足を止めていたつもりが、実際には数十秒しか経っていない。
そしてまた、この小説を読んでいると、大学生の夏休みという、人生の中でも何か不思議な時間にタイムスリップする。それはぼんやりとしたリアリティーのない世界だ。

高校のときの友人が夏の夕暮れに訪ねてきた。
奴は浪人生だったから、あのとき自分は大学1年だった。
「浪人の癖に、俺より日焼けしているな」と奴に言ったのを憶えている。
短パン姿の奴は、冷えた麦茶をガブガブ飲んだ。
蜩が鳴いていた。

訳もなくそんなことが思い出されたが、それが本当の自分の記憶なのか、それともどこかで読んだ小説の一場面なのか、自信が持てなくなった。

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