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2008.06.14

バイオリン小品集の最高傑作

Conamore前回書いたチョン・ミョンフンのお姉さんのことを書きます。チョン・キョンファです。クラシック好きならば誰もが知っている名バイオリニストです。弟のミョンフンよりずっと有名ですね。
もし現役バイオリニストのトップ3をあげろと問われれば、アンネ・ゾフィー・ムターヒラリー・ハーンと、チョン・キョンファだと答えます。但し、アンネ・ゾフィーとヒラリーは欧州で何度か実演を聴いているのですが、チョン・キョンファは未だにそのチャンスがありません。つまり彼女の演奏は録音でしか知りません。それでも彼女の演奏が好きな大きな理由があります。
それはまだ自分が学生の頃、クラシックを聴き始めた当初は、オーケストラとピアノの作品ばかり聴いていました。お陰でピアニストの善し悪しに関しては随分耳が肥えたのですが、バイオリンに関しては全くの門外漢でした。そんな頃、偶然購入したのが、チョン・キョンファの「コン・アモーレ」という小品を集めたCDでした。1枚に17曲の短い作品が収録されており、ピアノの伴奏だけで様々なタイプの曲を弾いていました。
このCDは自分にとって衝撃的でした。アンコール曲のような小品集なので、BGM程度に侮っていたのですが、1曲目のクライスラー作曲の「ジプシーの女」でノックアウト・ダウンです。バイオリンというあんな小さな楽器で、これほどまでに獰猛な音楽を創造できるのかと驚愕しました。彼女の攻撃的な演奏は、下手なヘビメタよりはるかに刺激的です。
もちろん激しい曲だけではなく、ゆったりとした美しい曲も収録されているのですが、どれも切れ味が凄いのです。まるでカミソリで切られて鮮血が滲み出るような感じです。誰かが言っていたかもしれませんが、アンネ・ゾフィー・ムターが名刀正宗だとしたら、チョン・キョンファは妖刀村正です。
バイオリニストがCDを何枚か出すと必ず、このような小品集を1枚は出します。自分も随分多くの小品集を購入して聴いてきましたが、このチョン・キョンファに勝るものは未だに出逢えていません。

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