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2008.04.27

諏訪内晶子の音量

昨晩諏訪内晶子の実演を聴いて、その音の大きさと力強さに驚いた。これだけの音量は、アンネ・ゾフィー級だ。バイオリンという楽器が、演奏端末となってホール全体を鳴らしているのだ。諏訪内の愛器は、ドルフィンと呼ばれる1714年製のストラディバリウスで、あのハイフェッツが所有していたものだ。
昨晩諏訪内はメンデルスゾーンの協奏曲を弾いた。全てのバイオリン協奏曲において、ソリストの音量は非常に重要だ。どんなにソリストの技量が優れていても、音量が足りなければオーケストラにソロが埋もれてしまう。音量不足のソロに対しては、オーケストラも音量を抑える傾向が現れ、自然と手加減したようなものになってしまう。
昨晩の演奏はそれとは反対に、諏訪内の音の明確さにシンクロして、オーケストラも思う存分ドライブしていた。力強いオーケストラの支えられ諏訪内の演奏も大輪の花を咲かせた。またその音量によって、細部の表現にも磨きがかかり、ロマン派の瑞々しさが爽やかに薫った。
本来技術的には全く申し分のない諏訪内に、この音量を得た事は何よりも最強の武器だ。メンデルスゾーンを皮切りに、チャイコフスキーやベートーヴェン、ブラームスなどの協奏曲の名曲を、彼女の演奏で聴きたいと思った。名曲の中に新たな発見ができそうな気がする。

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