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2008.02.25

桂枝雀「地獄八景亡者戯」

Shijyaku落語のDVDを観た。戦慄した。
この桂枝雀による「地獄八景亡者戯」は随分昔にテレビで観た記憶があった。但し、1時間番組で放送されたのは前編だけ。演目の長大さに驚いたのと、続きが聴きたい気持ちが強く残ったのを憶えている。このDVDでは、なんと休憩を挟んで、前後編全て収録されている。
元々は上方の古典落語なのだが、初めて聴いたときは、枝雀の創作落語だと思っていた。原型は江戸時代の町人噺のようなのだが、設定は現代風なのだ。
ストーリーは言うなれば地獄見物。あの世に辿り着いて、閻魔大王の裁きを受けるまでの珍道中である。地獄もすっかり資本主義の観光地のようになってしまっている。
この演目も何人かの名人が取り上げているようだが、落語もクラシック音楽と同じで、作品を演者がどう再現するかによって、全く別の面白みを味わえるようだ。
「戦慄した」と書いた訳は、枝雀の凄さだ。感心したのは、作品と現実が交錯する不条理を取り入れていた箇所だ。落語の中で落語を始めてしまったり、登場人物に自分は登場人物だと言わせたりしている。変だと思う気持ちが、おかしいのだ。
そしてこの天才は首を吊って、自らこの作品の中へと旅立ってしまった。枝雀師匠、このオチはおかしいと思います。

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