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2008.01.23

アレクサンドル・ソクーロフの「太陽」

Sunアレクサンドル・ソクーロフ監督の映画「太陽」をDVDで観た。
普段我々が映画と呼んでいるものとは全く異質なものだった。全編を通してほぼ室内劇であること。劇中音楽がほとんどなく、無音の長回しの連続であること。何より昭和天皇を主人公にしていること。
主演のイッセー尾形の演技には戦慄した。それは演技を越え、生き写しとも言えるような完璧さだった。
哀しく切ない映画の中にも、数カ所笑ってしまうシーンもあり、皇后との再会シーンには心が救われた。
自分は天皇崇拝の思想は全く持ち合わせないが、米兵たちの無礼や、マッカーサーの振る舞いには、強い屈辱感を覚えた。なぜだろう。それは多分、同じ日本人として、否、同じ人間として、劇中の昭和天皇に強い共感を持ったからだろう。こういう心の動きを与えてくれるものこそ、本物の芸術作品だと思う。

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» mini review 07226「太陽」★★★★★★★★☆☆ [サーカスな日々]
1945年8月。その時、質素な身なりをした昭和天皇ヒロヒトは、地下の待避壕か、唯一被災を免れた石造りの生物研究所で暮らしていた。宮殿はすでに焼け落ちていたのだ。 続き 不可思議なヒロヒトを、日本人よりも理解しているであろうソクーロフ。 ああ、こんな映画はとっても日本人スタッフでは、つくることができないな、というのが第一の感想であった。昭和天皇ヒロヒトをもう存命していないとはいえ、劇場映画のモデルにするということのタブーということではない。昭和天皇ヒロヒトを描くに当たって、ソクーロフ監督のような... [Read More]

Tracked on 2008.02.07 at 06:15 PM

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