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2007.10.01

猪瀬直樹著「マガジン青春譜」

Magazine川端康成大宅壮一の前半生の評伝なのだが、その青春自体がまるで小説のように面白かった。
幼くして両親を亡くし、唯一の血縁であった祖父をも看病の後に亡くした15歳の川端。その頃1歳年下の大宅少年は傾いた家業(醤油の醸造と小売り)を一身に背負っていた。この不幸と苦労の二人にとってただ一つの救いは雑誌への投稿だった。同じ大阪の茨木中学に通いながら、二人が出会ったのは共に東京帝国大学の学生のときだった。このシーンはこの本のずっと後半。
ペンでは食っていけない川端は菊池寛に借金を請い、同じ頃大宅は芥川龍之介の明晰な頭脳に驚愕する。
この本は、川端と大宅の暮らしが安定し、隣同士に住み始めたところで終わっている。これから人生の本番が始まるというところで、彼らの青春を終わらせているところが巧い。

猪瀬直樹は「ミカドの肖像」以来、いくつもの素晴らしい本を書いているのに、テレビに出たり、道路公団民営化に取り組んだり、東京都の副知事になったりと、文筆業に専念しておらず残念至極だ。世のため人のために、もっと本を書いて欲しい。

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