« フランスとドイツのamazonの違い | Main | Xiaogu Zhu "Beautiful Lady Hanfei" »

2007.07.22

バンベルク交響楽団によるシューベルトとマーラーの5番

わざわざブリュッセルから片道4時間もかけて、ドイツのヴィースバーデンまで、クラシックの演奏会を聴きに行った。このヴィースバーデン周辺ではこの時期、ラインガウ・ムジーク・フェスティバルという催しを行っており、クラシックを中心に様々な演奏会が開かれている。
Kurhaus
今回はジョナサン・ノットの指揮で、バンベルク交響楽団が、シューベルトとマーラーの5番をやるというので、ホテルを取って一泊で行った。会場はクアハウスというホールで、カジノが併設されている華麗な建造物だった。その名の通り、銭湯のような音響だったが、天井や壁面に非常に綺麗な装飾が施されており、見る楽しみはあった。
ヴィースバーデンは金持ちが多いようで、客層は高齢の紳士淑女ばかり。案の定見渡す限り有色人種は自分だけだった。ネクタイをして行ったのは正解だった。
演目は前述の通り、シューベルトの交響曲第5番と、マーラーの同じく交響曲第5番の2曲だけ。この選曲にまずは感心した。5番というナンバリングをしたシンフォニーには、多くの作曲家が名曲を残している。ベートーヴェン、シューベルト、チャイコフスキー、マーラー、ショスタコーヴィチ。思いつくだけでも、いずれの5番も素晴らしい。
さて20時の定刻を僅かに過ぎて開演。オーケストラのメンバーが入場し、その楽器配置の工夫に気づいた。通常は客席から見て、指揮者を中心に左から、第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロと配置されるのだが、バンベルクの面々は19世紀後半に一般的だった配置で、左に第1バイオリン、右に第2バイオリンが陣取り、それを挟むように、指揮者後方にビオラとチェロが配されていた。
この配置が1曲目のシューベルトでは威力を発揮した。つまり軽快に音の粒を立たせて、ロココの香りを残した古典的な演奏となっていた。とにかくこのシューベルトの5番は、聴いていて気持ちが良かった。
Pause
1曲目の後、休憩。このホールは公園内にあるため、休憩時間になるとそれぞれグラスを片手に野外に出てしまう。21時前なのに外はご覧の通り(写真)明るく、白ワインを飲みながら、公園内を少し歩いた。これこそ贅沢な演奏会の楽しみ方だと実感した。休憩が終わる頃になると、若い女性の係員が鈴を鳴らして、この公園内を歩き回り、聴衆はホールにゾロゾロと入って行く。
2曲目は大好きなマーラーの5番。ここでも1曲目同様に古典的な楽器配置だったのには少し驚いた。マーラーでは通常通りチェロを右に持ってくるとばかり思っていたからだ。この配置はやはり失敗だった。中低音が甘くなり、迫力と官能美に欠けた。また管楽器が弱かった。第1楽章冒頭のトランペット・ソロや、第3楽章のホルン・ソロも力量不足だった。こういった聴かせ所では、聴衆をノックダウンさせる力量がないと、楽曲全体として後味が物足りないものになってしまうからだ。それでも第4楽章アダージョの弦楽器チームは素晴らしく、「このまま夢が覚めないでほしい」と思ったくらいだ。「自分が死ぬ時はこのアダージョが流れるのだろうな」などとも妄想してしまった。

|

« フランスとドイツのamazonの違い | Main | Xiaogu Zhu "Beautiful Lady Hanfei" »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7525/15840087

Listed below are links to weblogs that reference バンベルク交響楽団によるシューベルトとマーラーの5番:

« フランスとドイツのamazonの違い | Main | Xiaogu Zhu "Beautiful Lady Hanfei" »