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2007.05.29

Queen Elisabeth music competition

Elisabeth今、ここブリュッセルでは、エリザベート王妃国際音楽コンクールをやってます。今年はピアノ部門の年です。
ファイナリスト12人が今日から最終選考の演奏会を行います。テレビでも生中継してます。毎晩2人ずつ6夜連続です。プログラムを添付しますね。
ファイナリストの演奏曲目は3曲です。1曲目は、ハイドン、モーツァルト、ベートーベン、シューベルトのソナタのうち1曲。2曲目は未発表の曲(オーケストラを伴う曲)。3曲目は協奏曲ならば何でもOK。詳しくは添付のルールの6〜7ページに記載されてます。
セミファイナルの24人には、矢島愛子も残っていましたが、ファイナルに残った日本人は河村尚子だけです。
彼女は明日29日にショパンの協奏曲第1番を弾きます。ちょっと選曲が弱いかな。他の人たちはみんな大曲難曲で勝負ですから。何と12人中4人もラフマニノフの3番を弾きます。コンクールでこの曲で勝負するなんて、みんな凄い。6月1日には2人ともこの曲を弾きます。観客は疲れるだろうな。
それにしても、ファイナリスト12人のうち3人が韓国人、日本人が1人、計アジア勢が3分の1を占めるというクラシック音楽界の現状が顕著に表れていますね。

このコンクールでの演奏は、全曲がポッド・キャスティングで無料配信されてます。iTunesのStore内で、"Musiq3"というブリュッセルのクラシック専門のFM局名を検索すると、その中にズラリと揃ってます。しばらくすると古いものは消えてしまうので、今週中に要チェック。
コンクール終了後の6月早々には3枚組のCDも出すそうですので、ポッド・キャストをダウンロード出来なかった場合は買って聴くことも出来ます。更に先行予約するとボーナスCDが1枚付きます。商売上手だなぁ。

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2007.05.27

Brussels Jazz Marathon

Jazzmarathon1昨日今日明日の三日間、ブリュッセルではジャズ・マラソンという音楽フェスティバルが行われています。市内5カ所の特設屋外ステージと、ライブハウスなどの屋内で、400組の演奏家が125のコンサートを行っています。全て無料で、各会場を結ぶ無料シャトル・バスも運行されています。
今日は、メイン会場のグラン・パレスと、サブロン広場、エスパーニュ広場の三つの屋外会場をハシゴしました。
出演アーティストは、地元で活動する人たちが中心で、それほど有名な人はいませんでした。それでも途中小雨が降ったりもしましたが、ベルギー・ビールを飲みながら聴く音楽は最高でした。
明日最終日もグラン・パレスの会場に行ってみようと思います。
Jazzmarathon2

Jazzmarathon3

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2007.05.24

引っ越しました

先週、引っ越しました。
2年間住んだフランクフルトを離れ、西に400キロ、ベルギー王国の首都ブリュッセルに住むことになりました。
追々このブログにも書いていこうと思いますが、ブリュッセルはフランクフルトに比べると、エネルギッシュな大都市で、非常に興味深い複雑さを持っています。EUやNATOの本部もあるため豊かな外国人や、アフリカ系、アラブ系の貧しい外国人もたくさんいます。ベルギー人自体、北のゲルマン系のフラマン人と、南のフランス系のワロン人によって構成されており、ベルギー人という定義があまり重さを持ちません。フラマン人はオランダ語方言を話し、ワロン人はフランス語方言を話します。
ブリュッセル市内は、フランス語話者が8割を占めているため、日常生活ではフランス語が標準的に使われています。但し、前述のとおり外国人が多いためか、大抵のところで英語が通じます。フランクフルトの街中では、ドイツ語以外を耳にすることはほとんどありませんでしたが、ブリュッセルでは地下鉄やレストランでも英語の話し声をよく聞きます。
まだ住み始めて1週間ですが、ドイツに比べ良いのは、何より食事が美味いことです。フランス料理は絶品ですし、日本食や魚介類も、ドイツに比べると豊富です。
ただ、ブリュッセルはフランス語圏、つまりラテン系ですので、ドイツのゲルマン的なメンタリティーとは、大きく異なり、少し戸惑っています。

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2007.05.06

Hilary Hahn Concert

昨晩アルテ・オパーヒラリー・ハーンを聴きに行った。
非常に人気の高いバイオリニストなので、客層も幅広く、若い人やクラシック初心者らしきカジュアルな服装の人たちが目立った。
何とかチケットの取れた席は、11列目で少し遠かったが、ヒラリー独特の澄んだ音色は、軽い二日酔いで濁った頭を爽快にしてくれた。
20時に開演。27歳のヒラリーは美人ではないが、愛嬌のある誰からも愛される風貌。これが演奏にも表れている。この日は、肩から腕を出したロングスカートのドレスで登場。
ピアノ伴奏はウクライナ出身のValentina Lisitsa。この伴奏者がとにかく巨大。なかなかのブロンド美人だが、ピアニストというよりアスリートの体格。この巨大さが、これも演奏に表れていた。
1曲目はLeos Janacekの4楽章ソナタ。この曲は初めて聴いた。ヒラリーの音色は、透明感のある美音である。アンネ・ゾフィー・ムターのような力強さや、チョン・キョンファのような冷徹さとは異なるタイプに属する。むしろヒラリーのスタイルこそが、フリッツ・クライスラーに通じる伝統的なバイオリン演奏のように思う。
2曲目はモーツァルトのケッヘル305。これは全く伝統的な演奏で、原曲の良さを伝えることを優先し、個性的な演奏は控え目だった。
そして3曲目は、タルティーニの「悪魔のトリル」。この曲は今年2月10日に同じアルテ・オパーで、巨匠アンネ・ゾフィーの演奏を聴いていたので、それと比べることができると楽しみにしていた。アンネ・ゾフィーは弦楽を従えた協奏曲版だったが、ヒラリーはピアノ伴奏だけのオリジナル版。
アンネ・ゾフィーはまさに気迫満点の悪魔的な演奏だったのに対し、ヒラリーは透き通った美音と、彼女の聡明さ明朗さが演奏に表れ、悪魔と言うより「天使のトリル」になっていた。特にカデンツァでは、手に汗握るアンネ・ゾフィーに対して、ヒラリーは一面に花の咲いた春の野山のように、我々聴衆に幸福感を与えた。これには観客も拍手喝采の大喜び。
ここで20分の休憩を挟み、4曲目は、ピアノ伴奏なしのバイオリン独奏曲。作曲者Eugene Ysayeとプログラムに書かれていたが、知らない。こういった無名な楽曲も積極的にプログラムに取り入れるところは偉い。
そして5曲目、この日の目玉は、ベートーベンの「クロイツェル・ソナタ」。これは非常に素晴らしかった。まずピアノ伴奏の大女が力量を発揮し、巨大なベートーベン像を構築し、その上でヒラリーのバイオリンが軽やかに舞った。繰り返しになるが、ヒラリーの天性の明るさが、聴く者を幸せにするような名演だった。
これでプログラム演目は終わり、当然アンコール。
アンコール1曲目はパガニーニ、2曲目はプロコフィエフのマーチ、3曲目は???
1曲ごとにヒラリーは曲名を言ったのだが、聞き取れなかった。
終演は10時半を過ぎていた。
演奏が終わって考えてみた。ヒラリー・ハーンの演奏の良さは、オーソドックスな楽曲の解釈と、美音とバランスだ。
実演を観て分かったのは、身体の動かし方が良いのだ。彼女はソリストだから当然起立して演奏するのだが、直立不動ではなく、身体を動かすタイプなのだ。まず、ヒールのない靴を履き、両足を肩幅以上に開く。但しこれはロングドレスに隠れていたため確認できなかったが、ロングドレスでそれを隠していることがそれを証明している。そして音楽に合わせてステップを踏む。そのステップはダンスのようなものではなく、まるで寿司職人が身体でリズムを取りながら、寿司を握る時の足裁きに似ている。良い寿司屋は手先で寿司は握らない。DVDで観たヒラリーの録音風景では、ジーンズに裸足で、その足裁きをしていた。
足腰の次に気付いたのは、弓を持つ右手の動かし方だ。まず肩から手首にかけてが非常に柔らかく動く。強くて大きな音には適さないが、美音はこの右手から生まれているようだ。また弓の使い方でも気付いたのは、それほど弓の長さ全てを使っていない。短いボウイングだけで演奏してしまう箇所もあった。また弓を引く動きと弓を押す動きの配分が絶妙なのだ。これが多分バランスの良い明るい音色を生んでいるように思えた。
いずれにせよ、ヒラリー・ハーンが次世代のバイオリンの巨匠になるのは確実である。

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