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2007.03.25

Moskauer Philharmonikar

モスクワ・フィルが来たので、昨夜アルテ・オパーに聴きに行った。席は1列目の14番。まさに一番前のド真ん中。まるでジェットコースターの最前列に乗ったような面白さだった。
指揮は常任のYuri Simanov、ピアノにKirill Gerstein。
まずは小手調べにリムスキー・コルサコフの序曲。
次にスクリャービンのピアノ協奏曲。最前列だったせいで見上げる位置にピアノが横たわり、手を伸ばせばGersteinの足首が掴めるほど。Gersteinは弾きながら鼻歌を歌う。演奏はまずまずの出来で、このショパンのような細身の協奏曲を、しっかりと野太い音で弾けていた。テンポや抑揚は優等生的で、もう少し冒険して欲しかったが。
Gersteinのアンコールは2曲。シューベルトの歌曲「魔王」をリストが編曲したものと、「リストなしのシューベルト、即興曲」とドイツ語で曲紹介し「変ト長調」を演奏。
休憩を挟んで、ラフマニノフの「交響的舞曲」。これには驚いた。兎に角テンポが遅い。第1楽章の冒頭は、疾走するものだとばかり思いこんでいたのに、Simanovは牛歩のように始めた。徐々に加速するのかとの期待も裏切り、牛歩はやがて象の匍匐前進に。遅い分だけ濃厚さは増して、第2楽章のワルツも不気味に仕上がった。第3楽章も遅い。全く予想外の演奏だった。昔から大好きな曲だったが、入手できるCDもほとんどなく、実演もはじめてだったので、大いに期待していたが、全く別の曲を聴いたような気分で終わった。ただ期待とは違ったが、演奏の質は高かったのは確かだ。
アンコールは、チャイコフスキーとシベリウスとハチャトリアンのワルツを3曲も大サービスし、大いに盛り上がった。
Simanovはロシアの農夫のような小太りの容貌で、その指揮ぶりは酔って盆踊りをしているかのようだった。あまりのオーバーアクションに、ときどき指揮台がズズっと3センチほど動くのである。このおじさんが席に墜ちてきたらどうしようと冷や冷やした。このように動作は愛嬌があるのに表情は無愛想。ただアンコールも全て終え、最前列で立ち上がって拍手を送ると、目があった瞬間、少しだけニコリとした。

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2007.03.12

Frankfurter Museumsorchester

昨日アルテ・オパーであった、クラシックの演奏会に行った。
フランクフルトには、定期演奏会を開くプロのオーケストラが二つある。一つは以前にも書いたhr-Sinfonieprchester。もう一つがこのFrankfurter Museumsorchesterだ。前者が放送局所有のオーケストラであるのに対して、こちらはオペラ座付属のもの。本職はオペラの伴奏だが、こうしてホールのステージで定期演奏会も開いている。
昨日は日曜の真っ昼間の演奏会だったせいか、客は高齢者ばかり。平均年齢は多分70を超えていたのではなかろうか。
席は12列の18番。ステージを正三角形の底辺にすると、丁度その頂点の位置。つまり自分の席から約60度の角度でオーケストラが視野に収まる。遠くなく近くなく、左右のバランスも良く、音響的には最高の席だった。47ユーロ。
指揮はロシア人のKirill Petrenkoが客演。あれっと思うほどの貧相な小男だったが、 指揮姿は華麗で巨匠風だった。
最初はいきなりラフマニノフの交響詩「死の島」。周りの高齢者が全滅するのではないかと思うほど、悲壮感に満ちた暗く深い曲。これは非常に良い出来だった。メリハリを利かせ、地味な曲を立体的に構築していた。
そのあと、バイオリンのKathy Kangを招き入れ、サン・サースの明るい派手な曲を二つ。HavanaiseとRondo Capriccioso。韓国人の彼女は、気の毒にも美貌には遠く、演奏会映えしないため、プロのソリストとしては損をしていた。また演奏も、低音の唸りがないのと、全体に音が弱いせいで、手放しには満足は出来なかった。但し速いパッセージの技術は見事で、アンコール(不明曲、多分パガニーニ?)でも、超絶技巧を発揮して、客を喜ばせていた。
休憩を挟んで、最後はラフマニノフの交響曲第3番。演奏自体は非常に良く整理され、それでいて大胆で迫力があったのだが、この楽曲自体、後半の楽章が難解であるため、演奏会で客を喜ばすのには適さない。事実、周りの客は首をひねり、カーテンコールもそこそこに、足早に会場を出る人が多かった。どうせならば2番か、それこそ交響的舞曲にすれば、もっと盛り上がっただろうにと大いに悔やまれる。
午前11時に始まり、午後1時には終わった。

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