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2007.02.16

森まゆみ著「明治・大正を食べ歩く」PHP新書

Tabearuku軍鶏と書いて「しゃも」と読む。つまりニワトリ同士を喧嘩させる、あの鶏。その軍鶏のモモ肉、ムネ肉、皮、レバーと、ネギ、シラタキ、豆腐を入れて鍋にする。「軍鶏鍋」だ。あぁ、食べたい。
あさりと小松菜を甘辛く煮て、ご飯にぶっかけたのが「深川飯」。あぁ、これも食べたい。
浜名湖だけが鰻じゃない。霞ヶ浦、利根川、九州有明だって天然鰻の名産地だ。春に生まれた鰻はエビを餌にしているので、あっさり軽い味。それを割いて、串に刺し、素焼きにして、蒸して、たれをつける。「蒲焼き」だ。ドイツの白ワインに合うんだろうなぁ。

海外にしばらく暮らしていると、無性に日本の味が恋しくなる。海外暮らしの日本人が数人集まれば、必ず食べ物の話題で盛り上がる。日本に一時帰国する時、「食べたいものリスト」を準備する人も少なくないくらいだ。
そんなセンチメンタルな傷口に、塩を塗り込むようなのが、この本だ。雑誌編集者で作家の森まゆみが、東京の老舗を食べ歩いている。
この本の憎らしいのは、ただ食べるだけでなく、その店の界隈の雰囲気も、ちゃんと描写されているところだ。そして店の人に、その店の歴史や懐かしい話をいろいろと聴いている。つまり散歩が三分の一、歴史談話が三分の一、そして食べるが三分の一の割合で、この本はできている。さらに新書版のくせに、カラー写真や地図などの図版もたっぷり載っている。
あぁ、なんて残酷で無慈悲な本なんだ。

ふるさとは遠くにありて片思い
鶏鍋ざるそば穴子飯、、、

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