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2006.10.21

Rachmaninov "Symphonic Dance"

この楽曲には2種類の楽譜がある。一つはオーケストラ版、もう一つは2台のピアノのためのものである。
ラフマニノフは1940年春に作曲を始め、8月にはピアノ版が完成、その後すぐにオーケストレーションがされ10月29日にはそれも完成された。
オーケストラ版の初演は、翌年1941年1月3日に、オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団によってなされた。
さてここで特筆しなければならないのは、2台のピアノ版の初演についてだ。日時は不明だが、場所はニューヨーク・ロングアイランドのラフマニノフの自宅。演奏者は作曲家ラフマニノフ自身と、若き同郷の友人ウラディミール・ホロヴィッツ!
実はつい最近までこの曲に2台のピアノ版が存在することを知らなかった。オーケストラ版は以前から愛聴しており、ラフマニノフの作品の中でも5本の指に入るほど大好きな楽曲だった。またラフマニノフとホロヴィッツが交流を持ち、時折プライベートでピアノ演奏を楽しんでいたことも知っていた。
しかしその二人がこの交響的舞曲を2台のピアノで演奏していたことは全く知らず、それを知り鳥肌が立つほど驚いた。
なぜならこの楽曲はラフマニノフの作品の中でも最もリズミカルで激しいものであるからだ。つまり20世紀前半を代表するピアニストであったラフマニノフと、同じく20世紀後半を代表するピアニストであったホロヴィッツが、その超絶な演奏をぶつけ合ったのだ。これは大事件だ。
しかしこの演奏はラフマニノフの自宅で行われ、一般聴衆が耳にすることもなく、当然録音も残されていない。
そもそもこの楽曲自体、今では演奏される機会も少なく、録音も極めて少ない。
参考に自家所有の録音を以下に記す。

  オーケストラ版:アシュケナージ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウによる1983年1月の録音
  2台のピアノ版:アルゲリッチとラビノヴィッチによる1991年9月の録音

ただ如何せん、いずれの演奏も出来が不充分である。アシュケナージは70点、アルゲリッチに至っては40点そこそこだ。いずれも激しさが足らない。スパークしていないのだ。もっと速く、もっと強く演奏しなければならない。またそれほど激しく演奏しても、楽曲を壊さない高度な技術が演奏家には求められる作品なのだ。当然ラフマニノフとホロヴィッツにはそれが可能だった。
1941年のオーマンディの初演に対して世間は批評的だった。しかしラフマニノフ自身はこの作品を'my last spark'と呼び、その2年後の1943年3月28日にその生涯を閉じる。

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