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2006.08.15

"The Happy Prince" by Oscar Wilde

Happyprince物心付いた頃だから、多分幼稚園に入る前、「東京こどもクラブ」というレコード付き絵本が毎月郵便で届いた。毎月1冊の12回配本で、いわゆる童話の読み聞かせレコード本だ。勿論自分の意志で購読したのではない。母の差し金だ。
12の童話の内、特に気に入っていたのは「わらしべ長者」と「でっかいとうもろこし」だ。どちらも面白可笑しいハッピーエンドのお話で、繰り返しそのレコード盤をターンテーブルにのせた記憶がある。
ところが今もって印象深いのは「幸福の王子」である。
当然その幼少の頃、「幸福の王子」の作者が、オスカー・ワイルドだとは知らなかったし、それはどうでも良いことだった。中学か高校の頃、オスカー・ワイルドの名前を知り、成人した後、新潮文庫版を買って再読したものだ。
昨週末、街の本屋の英書コーナーで、このペーパーバックを見つけて買ってきた。
その晩、ベッドの中でページをめくると、自分でも驚くほど不思議な気分に襲われた。
英語の原文で読むのは初めてだったのに、まるで何度も繰り返し読んだもののように、登場人物(王子の銅像とツバメ)の台詞が、リズミカルに口をついて出た。

冬を迎える街の広場で、銅像の王子が自らに装飾された宝石や金箔を、貧しい人達に分け与えるために、南へ旅する途中のツバメを引き留め、デリバリーを依頼する。当初はやむなく引き受けたツバメも、貧しい人達の喜び様と、王子の誠意に心打たれる。両目のサファイアを分け与えたために、盲目となった王子に代わり、ツバメは街の貧しい現状を報告し、来る日も来る日も王子の体の金箔を剥がし、貧しい人達に届ける。
やがて本格的な冬が訪れ、ツバメは王子に暇乞いをする。王子は今までの感謝と、南に飛び立つ祝福の言葉をツバメに与える。しかしツバメはもう何処へも行かない、命が尽きるのですと告げる。

何度も読み返したはずの童話なのに、胸に熱いものが迫った。

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