« 富田修二著「さまよえるグーテンベルク聖書」 | Main | 梅田望夫著「ウェブ進化論」 »

2006.06.10

村上龍×伊藤穣一「『個』を見つめるダイアローグ」

面白そうだったので、amazon.co.jpから取り寄せて読んだ。航空便で、約1週間で手元に届いた。便利なものだ。
日本についての対話本。8割共感出来て、1割異論を持ち、残り1割は判断不能だった。
日本人の一般的な感覚からすると、この2人の考え方は異質なものになるだろう。しかし、日本の外側で「外国人」とか「異文化」とかいう感覚が薄れ始めた今の自分にとっては、全く真っ当な考え方に感じた。ただ伊藤は多少急進的で、村上は少し穏健に感じた。
特に最終章で語り合われている「ヒューマニズムより、経済合理性」には、全く同感だ。二宮金次郎の功績を事例に挙げ、ヒューマニズムだけでなく、合理性があったからこそ、成果が残せたという見方には、説得力がある。「偉い人」というのは人徳があるばかりでなく、ちゃんと頭が良くなくてはいけないのだ。
知らなかったこともたくさん書かれていた。アルカイダが最も先進的な軍事組織である話や、日本でタクシー運転手が定年後ホームレスになる準備をしている話、1989年のサンフランシスコ大地震でホームレスが救援活動で活躍した話(彼らは社会インフラが崩壊しても生活できる技術を持っているのだ!)など。
ただこの本で同感できない部分もあった。伊藤は日本のオタク文化を肯定的に捉えていたが、自分としては村上同様少なからず懐疑的だ。オタク文化から陰湿さが取り払われ、開放的な陽気さが伴えば、世界に対して充分誇れるものになると思う。
読み終えて、村上の「半島を出よ」が読みたくなったし、キューバ革命とカストロ政権について調べたくなった。

|

« 富田修二著「さまよえるグーテンベルク聖書」 | Main | 梅田望夫著「ウェブ進化論」 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7525/10467511

Listed below are links to weblogs that reference 村上龍×伊藤穣一「『個』を見つめるダイアローグ」:

« 富田修二著「さまよえるグーテンベルク聖書」 | Main | 梅田望夫著「ウェブ進化論」 »