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2005.07.05

ドイツとイタリアにおけるFM放送の選曲の違い

先日、仕事で当地フランクフルトから、イタリアのミラノまで、クルマで日帰り出張という馬鹿な強行軍をしてしまった。片道約7時間、往復で14時間。流石に疲れた。
フランクフルトからはアウトバーン5号線をひたすら南下し、スイスの国境の町バーゼルに入る。スイスを東南に横切り、イタリア国境のコモに入り、コモからは1時間程度でミラノに到着。
クルマではずっとFM放送を聴いていた。当然移動するに従い受信できる放送局も変わっていくのだが、大きく分けるとドイツ語の放送か、イタリア語の放送かになる。ドイツとイタリア国内では当然その国の言葉になるのだが、スイスは御存知の通りの多言語国家で、ドイツに近い北部スイスはドイツ語、イタリアに近い南部スイスはイタリア語を使っている。道路標識も変われば、FM放送も驚くほど雰囲気が変わる。
簡単に言えば、ドイツ語放送は暗くてダサイ。イタリア語放送は陽気で馬鹿げている。特に選曲の違いにその特徴が現れている。
ドイツ語放送では、80年代ポップスを中心に、最近のヒット曲を繰り返し流す。本当に同じ曲ばかり繰り返すのだ。他に音源を所有していないのか?と思うほどに繰り返し、繰り返し…。
それに対してイタリア語放送での選曲は多彩だ。ラテン系のリズミカルな曲が中心だが、所謂ヒット曲は耳にしない。つまり知らない曲ばかり。時々サンタナの曲だと思ったら、アレンジが違う誰かのカバーであったりする。
クルマで移動しながら、この音楽観の違いを考えていると、周りの風景もこの違いに同調して変化してくる。つまりドイツから北部スイスのドイツ語圏の地域は、緩やかな丘陵地帯が繰り返し続き、それを単調な道路が走っている。特にドイツ国内のアウトバーン5号線は、カーブもアップダウンも少ない直線道路。車窓はただただ針葉樹の森と麦畑。
それに対してイタリア語圏の南部スイスはまさしくアルプス山脈で、切り立った岩山が重ね屏風のように立ちはだかり、その奥に雪を残した頂が青空に向かって背伸びしている。谷間に流れる渓流もリズミカルで、それを縫って走る道路と線路も魅力的に曲がりくねる。時折通過する湖も、湖面に青空を映し、鮮やかなまでに青い。
国境を越えイタリアに入った途端に、木々は低くなり青空の面積が極端に広がる。その雰囲気は、メンデルスゾーンの書いた交響曲「イタリア」の通りだ。嫌でも気分が明るくなる。
ドイツ人はバケーションになると、南を目指し、イタリアに大挙流入する。それに対してイタリア人がアルプスを越えドイツに来ることはまずない。
これほど近い国なのに、これほど雰囲気が違うのは実に興味深い。それがFM放送の選曲に現れていると痛感した日帰り旅行だった。

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