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2005.06.27

Carlo Maria Giulini指揮 ”ブラームス交響曲第4番”

巨匠ジュリーニが逝った。TVニュースで知り、手持ちのCDを聞き直した。以前から大好きな指揮者だったので、一時代が終わったように感じ、とても寂しい。
ネットを探ってみたら、非常に素晴らしいファン・サイトがあったので、詳細はそちらに譲りたい。
但し少ないレパートリーであるにもかかわらず、オペラを振り出しに、古典からロマン派、ストラヴィンスキーまで、選曲は幅広く、いずれも質の高い演奏を残していることは特筆に値する。これは同じイタリア人であり、何度か競演を果たしているピアニストのミケランジェリにも共通している。そのミケランジェリとのモーツァルトやベートーベンの協奏曲は、非常にチャーミングで、繊細さの中に、揺るぎない芯の強さが感じられる。また晩年のアウラやホロヴィッツが、協奏曲録音にあたりジュリーニを指名していることも、20世紀前半の巨匠の系譜を引き継いでいることを物語っているように思える。
自分にとってジュリーニは、このように協奏曲の伴奏では馴染み深かったが、交響曲とガップリ四つになったものを、きちんと聴いてこなかった。今回あらためて評判の高いブラームスの4番を聴いて、思わず唸ってしまった。この4番には深閑なクライバーや重厚なクレンペラーによる愛聴盤があったが、ジュリーニ盤はこれぞ正統的な演奏ではないかと感じてしまった。

ここフランクフルトは市街地から少しクルマを走らせれば、深い森の中に入り込むことが出来る。森の中ずっとまっすぐに続く道を、一人で運転をしながら聴くブラームスの4番は、あまりにも哀しい。
ジュリーニもが逝き、20世紀がまた遠くになってしまった。

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浜野保樹著「模倣される日本」

副題「映画、アニメから料理、ファッションまで」の通り、日本発の文化が、海外でどのように受け止められているかを、多角的に紹介しており、非常に興味深く読んだ。
日本に住んでいた頃は、普段はあまり意識していなかったが、「キル・ビル」や「ラスト・サムライ」は、やはり気になって観ていた。但しそれらは実感がない架空の国ニッポンでしかなかった。
海外に暮らし始めてまず最初に感じたのは、自分が黄色人種あることだ。白人や黒人から見れば、日本人も韓国人も中国人も見分けが付かない。日本人の自分ですら、時折街で見かける東洋人の国籍を、正確に言い当てる自信がない。事実当地では日本料理店を経営する韓国人もいる。
また、国民性と言い捨てて、性格分類するのも当てにならないと痛感した。陽気なドイツ人もいるし、怠け者の日本人もいる。内気なイタリア人や、没個性なフランス人もいる。
これだけ人種としても国民性としても日本人のアイデンティティーは薄いが、こと文化に関しては独自性があると感じる。
特に古典文化や精神論だけでなく、現代の映画やアニメや料理は予想以上に海外に浸透している。
本著では、対象とする海外を特定していないため、その分野は多彩だが、アジアやアメリカに比べ日本人居住者が少ないここヨーロッパでも、日常生活の中に「日本」を時々見つけ、はっとすることがある。初めて近所のスーパーマーケットに行った時、にぎり寿司のパックを見て、正直驚いた。また自宅から歩いて数分のところにも回転寿司屋がある。いずれも日本人をターゲットにしていないせいか、あまり旨そうには見えず、未だに試してはいないが。
日本に暮らしていると、どうしても低級な政治や、犯罪の低年齢化残虐化、物欲消費中心の経済など、日本の悪い面ばかり目に付いたが、幸いなことにここドイツには、これらが正確に伝わっていない。その分、未だに日本は遥かに遠いミステリアスな島国なのだ。
先日サッカーのコンフェデレーション・カップの日本対ギリシャ戦を、近所のスタジアムで観戦した。日本が昨年の欧州チャンピオン国に勝ち、大いに喜んでいたら、仕事仲間のドイツ人は「ギリシャ程度に勝っても価値はない」と冷たい。ところがブラジルに2対2で引き分けたら、同じドイツ人が翌朝早速「日本は凄い」と賞賛してきた。
当たり前のことだが、評価というのは、他者がする方が価値があるようだ。日本を採点するのは日本人ではない。但しどう採点しているのかは、常に注意していた方が良さそうだ。
好き嫌いとは別に、世界の人たちが日本の存在を無視できなくなるには、まだまだ時間と工夫が必要に感じる。

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2005.06.14

新装開店~まずはドイツのCDショップ事情

久しぶりの書き込みになります。
実はこの春、仕事の都合で東京を離れ、ドイツのフランクフルトに引っ越してきました。4月30日に来独し、家を探し、仕事をスタートし、やっと少し生活が落ち着いてきたので、このブログの書き込みも徐々に再開しようと思っています。

さて新装開店の一発目は、当地フランクフルトの音楽事情紹介として、まずCDショップの様子を報告します。
フランクフルトには、HMVやバージンのような大型店はなく、デパートや家電専門店の一角に、DVDやゲームソフトと一緒に並んでいます。日本の地方都市のレベルでしょうか。CDの陳列は日本同様に大まかなジャンル(ロックやジャズやクラシックなど)に分けています。価格も日本での輸入盤と同程度で、CD1枚10~20ユーロぐらいです。
品揃えで日本と違うのは、当然ドイツ人によるドイツ語のロックやポップスが並んでいることです。なんと、80年代に世界的に有名になったネーナも、未だに現役で歌っています。それほどおばさんになっていないのには感心です。
またクラブ音楽やクラシックは、日本では見かけないものが多くあります。やはりドイツの若い世代には、アメリカのヒップホップや、ダンス音楽が人気があるようで、売り上げチャートも日本の洋楽チャートと変わりありません。
DVDで少し面白かったのは、日本のアニメが充実していることです。特に子供向けアニメで「みつばちマーヤ」、「小さなバイキング・ビッケ」、「キャプテン・フューチャー」がドイツでは人気があるようで、全話が分売されていました。「キャプテン・フューチャー」は好きだったので感激です。
しかし品揃えは東京の大型店に比べ劣るので、欲しいものはインターネットで買い集めるしかないのかなと思っています。

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