The John Butler Trio "Sunrise Over Sea"
アコースティック・ギターとベースとドラムスのトリオ・バンド。オーストラリア人らしい。
曲調は様々で、ブルースあり、フォークあり、レゲエあり、ファンクありなのだが、ほとんど全て電気を使わない生音で仕上げており、それでいて音質はソリッドで、速い曲ではエレクトリック以上に、煽りが効いている。麺硬めって感じかな。こういう音を、最近はオーガニックと呼ぶらしい。
エレクトリック・ギターだと電気的に音を増幅する際、どうしても弦をはじいた時に生じる緊迫感を弱めてしまうように思う。その例として、スパニッシュ・ギターで、フラメンコのような音の緊迫感は、エレクトリック・ギターでは出せない。その点、弦の素材が金属でもあっても、ナイロンであっても、電気音ではない生のギターは、不思議と直接的な攻撃音を出すことができる。Al Di Meolaなどでも、アコースティックの方が過激な音を出している。
このJohn Butlerも、アコースティックの利点を充分に活かしている。ギターの腕もなかなかのもので、かき鳴らすギターが、しっかりと吠えている。全体的に土臭く、速い曲では砂煙を立てて疾走し、遅い曲では草の臭いを嗅ぎながら寝転がっている気分だ。
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