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2005.03.04

阿川弘之著「軍艦長門の生涯」

一隻の軍艦の生涯を通じた日本海軍史。
すでに著者の海軍提督三部作「山本五十六」、「米内光政」、「井上成美」を読み終え、残しておいたこの長編を、丁寧に時間をかけて読んでみた。
大正6年8月28日の起工、大正9年11月25日に就役、以後昭和17年2月までの21年間、連合艦隊の旗艦を務め、その後もいくつかの海戦に投入され、陸奥や武蔵、大和が次々と沈む中、昭和20年8月15日の敗戦を横須賀で迎える。太平洋戦争を生き延びた長門は、昭和21年7月29日、ビキニ環礁での原爆実験の標的として、就役以来25年の生涯を閉じる。
日本海軍の歴史は、日露戦勝までの創成期、昭和16年12月8日のハワイ作戦までのネイヴァル・ホリデイ期、そして敗戦まで終焉期の三つに分けて捉える事ができそうだ。日本海海戦までに関しては司馬遼太郎の「坂の上の雲」、負けるとわかって始めてしまった太平洋戦争に関しては阿川の提督三部作を読んでいて、流れは掴んでいたつもりだった。それら前後の真ん中で抜けていた「海軍の休日」を、この「軍艦長門の生涯」で楽しめたのが収穫だ。読んでいて、この時期の戦わない海軍が、もっともまともでスマートに感じた。
軍艦設計の神様と呼ばれた平賀譲や、ワシントン海軍軍縮会議に臨んだ加藤友三郎、摂政皇太子時代の昭和天皇が、この長門の生涯にも関わって、魅力的に登場している。また歴代の長門艦長や士官、下士官、水兵までも、それぞれ個性的で、生き生きとユーモラスに描かれている。
この良識的な海軍でも、戦争の魔力には勝てなかった。アメリカには勝てないと一番わかっていた山本五十六ですら、ハワイ作戦の先の和平までは、海軍を導くことができなかった。
時代が下るとともに、この小説も暗さを帯びざる得なくなる。海戦シーンでは、敵機の爆撃を受け五体はバラバラに飛び散り、南洋ゆえに腐臭が艦を埋める。やがては出撃する油もなく、廃船同様の姿で横須賀に繋がれる。そして誰にも看取られずにビキニの海に沈んでゆく姿は悲壮だ。
歴史は学べば学ぶほど謎が深まる。悲劇はまるで仕組まれたかのように、その運命の道を下っていく。それがもっとも自然な道のようにさえ感じる。日本は戦争を避けられなかったのか、学べば学ぶほどわからなくなる。

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Comments

要望

お客様各位やマダム、

私は非常に興味を発見するの完全な物語の背後に長門の最後の日中に横須賀を1944年11月25日の間に1945年9月2日です。

したいことを確認するにどのよう偽装彼女自身、投げて応戦し、反対のすべてのオッズを乗り越えた。

この物語の長門と思うの生存を1つの叙事詩にする、と僕は、彼女の時間をカバーあらゆる情報を入手する横須賀の戦争の終わりに向かっています。

日本の出版物を提案することができると私は購入するか、またはすべてのライブラリまたはアーカイブここで私が購入依頼このような情報です。

どんな支援をいただきありがとうございます直接向けこのリクエストすることができます。

敬具
ミスターマイケルウィリアムズ
69バロンズコートテラス
エジンバラ
eh8 7en
スコットランド
イギリス

電子メール: mikewill@hotmail.co.uk

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REQUEST

Dear Sir or Madam,

I am extremely interested to discover the full story behind the Nagato’s final days at Yokosuka between the 25 November 1944 to the 2 September 1945.

I would like to find out how she camouflaged herself, fought back, and survived against all the odds.

I believe this story of battleship Nagato’s survival to be an epic one, and I would like to obtain any information covering her time at Yokosuka towards the end of the war.

Can you please suggest any Japanese publications that I can buy, or any library or archive where I might purchase such information.

Thank you for any help that you can direct towards this request.

Yours sincerely
Mr. Michael Williams
69 Barons Court Terrace
Edinburgh
EH8 7EN
Scotland
United Kingdom

E-mail: mikewill@hotmail.co.uk

Posted by: Michael Williams / ミスターマイケルウィリアムズ | 2008.07.18 at 09:48 PM

Thank you for comment, Mr. Williams.
This book "Gunkan Nagato no shogai" by Hiroyuki Agawa is one of the very popular naval non-fiction in Japan. You can buy the Japanese version easily.
However I guess there is not English version of this book.
If that helps, John Bester translates Agawa’s major work “Yamamoto Isoroku”. You can buy this from amozon.uk.

Posted by: umex@hakubai-tei | 2008.07.18 at 10:57 PM

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