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2005.03.21

Living Colour "Live From CBGB'S Tuesday 12/19/89"

cbs我が溺愛するLiving Colourが、今頃になってデビュー当時のライブ・アルバムをリリースした。1989年と言えば、1988年の1st"Vivid"と、1990年の2nd"Time's Up"の間の年。
今までライブ・アルバムは、1993年に"Dread"を日本盤としてだけを出していた。この"Dread"もかなり凄いのだが、これはホールのような大きな箱でのライブであるのに対して、このCBGB'sはN.Y.のクラブ。音の近さが違うし、何よりバンドとしても切れ味が新鮮で、ギミックやエフェクトも少な目だ。
演奏曲は1stの"Vivid"収録曲を中心に、"Soldier's Blues"と"Little Lies"という未発表曲2曲も演奏されている。"Soldier's Blues"はオーソドックスなブルース。"Little Lies"は珍しいスローなバラード。どちらもLiving Colourっぽくないところが面白い。
収録が初期のシンプルな楽曲だけなのが残念だが、演奏自体は文句なし。Vernon Reidのギターもブッち切れているし、Corey Gloverも声がよく出ているし、とにかくイイ。惚れ直した。Living Colour最高!!!

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2005.03.20

The John Butler Trio "Sunrise Over Sea"

butlerアコースティック・ギターとベースとドラムスのトリオ・バンド。オーストラリア人らしい。
曲調は様々で、ブルースあり、フォークあり、レゲエあり、ファンクありなのだが、ほとんど全て電気を使わない生音で仕上げており、それでいて音質はソリッドで、速い曲ではエレクトリック以上に、煽りが効いている。麺硬めって感じかな。こういう音を、最近はオーガニックと呼ぶらしい。
エレクトリック・ギターだと電気的に音を増幅する際、どうしても弦をはじいた時に生じる緊迫感を弱めてしまうように思う。その例として、スパニッシュ・ギターで、フラメンコのような音の緊迫感は、エレクトリック・ギターでは出せない。その点、弦の素材が金属でもあっても、ナイロンであっても、電気音ではない生のギターは、不思議と直接的な攻撃音を出すことができる。Al Di Meolaなどでも、アコースティックの方が過激な音を出している。
このJohn Butlerも、アコースティックの利点を充分に活かしている。ギターの腕もなかなかのもので、かき鳴らすギターが、しっかりと吠えている。全体的に土臭く、速い曲では砂煙を立てて疾走し、遅い曲では草の臭いを嗅ぎながら寝転がっている気分だ。

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2005.03.19

"Once And Future King - Part I"

FutureKingHMVで999円で売っていたので、内容不明のままジャケ買いした。
所謂ロック・オペラで、数名のボーカリストが物語の登場人物に扮して歌う。ロックといってもメロディアスなヘヴィ・メタル風。物語はアーサー王伝説。
主人公アーサー王を演じ、全曲の作曲とプロデュースをしているのが、TENのボーカリストGary Hughes。
全編まさに様式美(©伊藤政則)を追求しており、何の前知識もなく、久しぶりにこの種の音楽を聴くのも新鮮。結構気持ちよく聴いていたら、中途半端な終わり方。あれ?と思ったら、Part IIに続くのでした。
世の中、いろんな音楽があるものですね。

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2005.03.04

阿川弘之著「軍艦長門の生涯」

一隻の軍艦の生涯を通じた日本海軍史。
すでに著者の海軍提督三部作「山本五十六」、「米内光政」、「井上成美」を読み終え、残しておいたこの長編を、丁寧に時間をかけて読んでみた。
大正6年8月28日の起工、大正9年11月25日に就役、以後昭和17年2月までの21年間、連合艦隊の旗艦を務め、その後もいくつかの海戦に投入され、陸奥や武蔵、大和が次々と沈む中、昭和20年8月15日の敗戦を横須賀で迎える。太平洋戦争を生き延びた長門は、昭和21年7月29日、ビキニ環礁での原爆実験の標的として、就役以来25年の生涯を閉じる。
日本海軍の歴史は、日露戦勝までの創成期、昭和16年12月8日のハワイ作戦までのネイヴァル・ホリデイ期、そして敗戦まで終焉期の三つに分けて捉える事ができそうだ。日本海海戦までに関しては司馬遼太郎の「坂の上の雲」、負けるとわかって始めてしまった太平洋戦争に関しては阿川の提督三部作を読んでいて、流れは掴んでいたつもりだった。それら前後の真ん中で抜けていた「海軍の休日」を、この「軍艦長門の生涯」で楽しめたのが収穫だ。読んでいて、この時期の戦わない海軍が、もっともまともでスマートに感じた。
軍艦設計の神様と呼ばれた平賀譲や、ワシントン海軍軍縮会議に臨んだ加藤友三郎、摂政皇太子時代の昭和天皇が、この長門の生涯にも関わって、魅力的に登場している。また歴代の長門艦長や士官、下士官、水兵までも、それぞれ個性的で、生き生きとユーモラスに描かれている。
この良識的な海軍でも、戦争の魔力には勝てなかった。アメリカには勝てないと一番わかっていた山本五十六ですら、ハワイ作戦の先の和平までは、海軍を導くことができなかった。
時代が下るとともに、この小説も暗さを帯びざる得なくなる。海戦シーンでは、敵機の爆撃を受け五体はバラバラに飛び散り、南洋ゆえに腐臭が艦を埋める。やがては出撃する油もなく、廃船同様の姿で横須賀に繋がれる。そして誰にも看取られずにビキニの海に沈んでゆく姿は悲壮だ。
歴史は学べば学ぶほど謎が深まる。悲劇はまるで仕組まれたかのように、その運命の道を下っていく。それがもっとも自然な道のようにさえ感じる。日本は戦争を避けられなかったのか、学べば学ぶほどわからなくなる。

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