« "CROSSROADS GUITAR FESTIVAL" | Main | Rachmaninov "The Piano Concertos" by Stephan Hough »

2004.12.11

奥田耕士著「進化する老舗『福助』再生物語」

福助の新たな経営陣と、新旧社員たちの一年間を追った、スリリングなノンフィクション。
2003年6月21日、民事再生法の適用を申請した日、社員達それぞれの陰鬱な描写からこの本は始まる。その日は土曜日。呼び出しの電話で出社した社員達は、部屋の隅で声を潜め何事か相談をし合い、問い合わせの電話への対応に深夜まで費やす。帰宅すると家族や友人、既に退職した社員達からも電話が入る。どうなってしまうのか。何も分からないまま、一日が終わる。
福助は本業の衰退によって経営が傾いた。不動産投資や新規事業の失敗といったものではないだけに、建て直すには深刻だ。
投資ファンド「MKSパートナーズ」が出資する新会社福助が、旧会社福助から営業の譲渡を受け、経営を引き継いだ。MKSパートナーズの川島隆明が新会社の会長に就き、社長には伊勢丹のカリスマバイヤーとして有名だった藤巻幸夫が招かれた。冷徹な川島と熱血藤巻によるコンビが、福助の再生を始める。
しかし経営者が変わっただけでは、会社は再生しない。商売の仕組みや、社員の意識を根幹から変えるには、経営者ではなく、社員一人一人の行動がなければならない。社員達は苦しみながらも一歩一歩前進する。
この本には主人公がいない。ハッピーエンドでもない。しかし胸の熱くなるシーンがいくつもある。

|

« "CROSSROADS GUITAR FESTIVAL" | Main | Rachmaninov "The Piano Concertos" by Stephan Hough »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7525/2231700

Listed below are links to weblogs that reference 奥田耕士著「進化する老舗『福助』再生物語」:

« "CROSSROADS GUITAR FESTIVAL" | Main | Rachmaninov "The Piano Concertos" by Stephan Hough »