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2004.11.28

三本和彦著「『いいクルマ』の条件」

世に自動車評論家多かれど、最も真摯で現実的なのは、著者三本和彦氏をおいて他にない。多くの評論家諸氏は自らの好みに頼り過ぎ、多様なカーライフを想定していない。高級車や競技車両ばかりがクルマではない。
三本和彦といえばテレビ神奈川の「新車情報」において、辛口のコメントでメーカー担当者を常に戦慄させている。その三本氏の書いた本。期待を裏切らず、客観的にクルマを評した良著だった。
例えば、ホンダNSXのオートマチック車を「乗りやすさと走りの楽しさが両立した見事なクルマ」と評して、スポーツカーであろうとも、クラッチが異常に重いなどといった乗りにくさは良いことではないとしている。全く同感だ。また昔の名車へのノスタルジーに縛られた自動車評を否定し、客観的に最新型モデルの優位性を説いているあたりは痛快だ。さらに日本の道路幅から小型車の車幅の合理性と利便性も的確に説明してる。
特に感心したのは、「若者に学びたい大事なこと」と題した項で、
「私は、日本の今の若い人たちを、ある意味で評価しています。なぜなら、クルマ好きの割合が減り、クルマを特別視しなくなったからです。これはクルマ社会の成熟への第一歩だと思っています。」
まさに卓見だ。これこそ自動車評論家が語るべき言葉だ。
偏ったクルマ好きにではなく、本当に暮らしやすく気持ちの良いクルマ社会を望む人には共感の多い本だと思う。
何につけても「こだわり」は大切だが、こだわりを捨てた広い視野を持たなければ、こだわりが活きてこないと改めて感じた。

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Tracked on 2004.11.29 at 11:11 PM

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