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2004.08.29

野宮真貴 "ドレスコード"

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野宮真貴は美声だ。ミネラルウォーターのような混じりもののない声だ。
2004年の今年、1番気に入っている曲は、m-floの新譜"ASTROMATIC"に収録されていた"Cosmic Night Run"だ。この曲はm-floが野宮真貴とCRAZY KEN BANDをフューチャーした曲で、野宮と横山剣の軽快なデュエットが素晴らしい。
この"ドレスコード"でも、"Cosmic Night Run"のリミックスが収録されている。アルバム全体も軽快なスイングジャズやボサが多く、野宮の声質に合致したした曲が並んでいる。
また全曲を通して須長辰緒のアレンジが素晴らしい。更に竹中俊二のギターもいいネッ!
聞き捨てならない1枚だ。

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山内英子著「トヨタ『イタリアの奇跡』」

まず「トヨタ」と「イタリア」と言う組み合わせに興味を持った。自動車が文化にまで昇華された国イタリアで、日本の自動車メーカーの中でも最も産業臭が強いトヨタが、どうして売れているのか? 日本でさえ保守的なイメージの強いトヨタが、なぜあの情熱的なラテン民族に受け入れられるのか?
答えは2つあった。小型車ヤリス(日本名ヴィッツ)のヒットと、イタリアトヨタの北村憲雄社長の経営手腕にあった。
ヴィッツは日本でもヒットした車種だ。性能の良さは勿論、スタイルも従来のカローラなどに比べると精錬され、初見時は欧州車かと思ったほどだ。しかしイタリアで小型車を売るとなると、国産のフィアット・プントを筆頭に、隣国のプジョー206やルノー・クリオといった名車が競い合っている。
そのような強敵揃いの成熟市場で、イタリアトヨタは販売体制の変革を行った。その陣頭指揮を執ったのが北島憲雄社長であった。それまでイタリアでのトヨタは、ランドクルーザーをメインとした高級スペシャルティー車種が、販売の中核を為していた。このカテゴリーは、ブランド向上と利益率に貢献はあったが、業績拡大への量販志向には反していた。この状況で北村は戦略を変え、ヤリスを主力車種とした量販体制に乗り出した。
戦術のポイントは、ディーラー網の整理拡大と、アフターサービス体制の強化充実だった。いずれも量販するには不可欠だが、量販しているからこそ維持拡大できるものでもある。つまり卵が先か、鶏が先かの悩ましい問題で、北村は立ち止まることなく前進し、両方を得てしまった。
著者が北村に「ヤリスは売れていますね」と言ったところ、「売っている、と言って欲しい」と切り返された。
イタリアトヨタ170人の社員のうち、日本人は北村を含めわずか4人。このローカライズも成功の秘密のように思う。

今春、日本ではトヨタ自動車が純利益1兆円を上げたことがニュースになった。TV番組で張富士夫社長はこれに対し淡泊にコメントしていたのが印象的だった。純利益1兆円は単独ではなく連結決算での成果で、海外子会社の好調が貢献していると語った。
トヨタと言えば「カンバン方式」や「改善」といった製造ラインでの経営努力が注目されるが、イタリアトヨタは純然たる販売会社である。良いものを作っていれば売れる時代は過ぎ、売る工夫が重要になってきている中、イタリアトヨタの販売成果は、次世代トヨタの攻める強さを垣間見たようだった。

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2004.08.22

ジョン・ブロックマン編「2000年間で最大の発明は何か」

1998年11月に編者が主催するサイト「エッジ」のメーリングリストで発した質問に対する、各界有識者からの返答集。まじめに回答しているものもあれば、ウケ狙いもあったり、中にはルール違反で複数回答や、2000年以上前のものもあり、示唆に富むばかりか、笑えるものもあった。
非常に面白かったで、頑張って以下に回答全てを列記する。


印刷機  ブライアン・C・グッドウィン
電動モーター  ロドニー・ブルックス
長距離通信  トム・スタンデージ
犂  コリン・タッジ
静電気をつくる機械  アーノルド・トレハブ
カラベル船  アリン・アンダーソン
科学の組織化  サミュエル・H・バロンデス
緑の革命  ジョン・R・サール
電灯とアスピリン  マーク・D・ハウザー
インド・アラビア計数法  ジョン・D・バロウ
印刷機と魔法瓶  レオン・レーダーマン
空飛ぶ機械  リチャード・ポッツ
大学  パウロ・ピニャテッリ
消しゴム  ダグラス・ラシュコフ
テレビ  ビビアナ・グスマン
グーテンベルクの印刷機  ガーニス・カーティス
ピル  スーザン・ブラックモア
電気の実用化  パトリック・ベイトソン
水道  カール・ジマー
遺伝子配列の決定法  ロバート・シャピロ
クラシック音楽  ハワード・ガードナー
インターネット  ロジャー・C・シャンク
印刷機  ランドルフ・ネス
蒸留法  ロン・クーパー
テレビ  デービッド・バス
コンピュータと原爆  ダン・スペルベル
ピル、銃、水道  マリア・レポウスキー
教育の普及  ロバート・R・プロバイン
33年周期暦  ダンカン・スティール
馬のあぶみと首当て  ピーター・タラック
発明を可能とした社会構造  ジョン・C・バエズ
デジタル・ビット  テレンス・J・セジノウスキー
読書用眼鏡  ニコラス・ハンフリー
製紙技術  クリフォード・ピックオーバー
乾草  フリーマン・ダイソン
電池  ダニエル・C・デネット
プログラム可能なコンピュータ  ロレンス・M・クラウス
レンズ  ジーノ・セグレ
万能チューリング機械  ジョージ・ダイソン
椅子と階段  カール・サバーク
複式簿記法  ゴードン・グールド
ガトリング砲  ボブ・ラフェルソン
馬の家畜化  スティーブン・ブディアンスキー
コンピュータ  デービッド・ヘイグ
コンピュータ  ウィリアム・H・カルビン
インド・アラビア計数法  V・S・ラマチャンドラン
真空管  ピーター・コクラン
印刷術  ヘンドリック・ハーツバーグ
公開鍵暗号システム  チャールズ・サイモニー
ボルタ電池  ジョン・レニー
麻酔  スチュアート・R・ハメロフ
20世紀後半の医療  ジェームズ・J・オドネル
都市  スティーブン・ジョンソン
籠  ジェレミ・チャーファス
インド・アラビア計数法  キース・デブリン
言及に値するものなし  エバハート・ツァンガー
なし  ヘンリー・ワーウィック
超自然現象を信じないこと  マレイ・ゲルマン
民主主義と社会正義  スティーブン・ローズ
平等の理念など  ジョーゼフ・レドゥー
特別でないと自覚したこと  ドン・ゴールドスミス
アルファベットとレンズ  スティーブン・ピンカー
淘汰による進化の考え  ポール・W・エバルト
望遠鏡  ブライアン・グリーン
科学的方法  ジョーゼフ・トラウブ
教育という概念  スタニラス・デハーネ
コンピュータ・ネット  ジョン・C・ドゥボラック
マーケティング  ジェフリー・ミラー
哲学的懐疑主義  ルーエン・チォウ
自律性をもって動く道具  ピート・ハット
幾何学  トマス・デ・ゼンゴティタ
原爆  マーニー・モリス
科学的方法  デービッド・E・ショウ
商品としての情報  デービッド・ベルビー
進歩しつづけるという認識  ジョン・マッカーシー
対照群  デービッド・G・マイヤーズ
非宗教主義  ジェイ・オーグルビー
科学  ミルフォード・H・ウルポフ
疑問文と宇宙旅行  ルーベン・ヘルシュ
確率論  クリストファー・ウェストベリー
時計  W・ダニエル・ヒリス
エコノミック・マン  メアリー・キャサリン・ベイトソン
鐘と交響楽団  ジュリアン・B・バーバー
においの化学的認識  マービン・ミンスキー
望遠鏡と自然淘汰説  クリストファー・G・ラングトン
ゲーデルの不完全性定理  クレイ・シャーキー
避妊用ピル  コリン・ブレイクモア
遺伝子工学  オリバー・モートン
盤上ゲーム  ジョン・ヘンリー・ホランド
自我  ジャロン・ラニアー
自治  エスター・ダイソン
微分積分法  ジョン・マドックス
微分積分法  バート・コスコ
無限算法  ベリーナ・ヒューバー=ダイソン
自由意志  ジョン・ホーガン
鏡  トー・ネレットランダース
無意識の概念  シェリー・タークル
分光器  リチャード・ドーキンス
量子論  フィリップ・アンダーソン
コペルニクスの地動説  マイケル・ネスミス
印刷機  フィリップ・キャンベル
キリスト教とイスラム教  スチュアート・ブランド
旗など  ミハイ・チクセントミハイ
数学における表現の概念  リー・スモリン
ある考えについての考え  ジョージ・レイコフ
デジタル生態系  アンディ・クラーク
数字をつかった予測能力  ジョージ・ジャクソン
見えない技術体系  ハワード・ラインゴールド

以上、108回答。原文はサイトでも読める
予想通り多かったのが「印刷機」。予想外に票を集めたのが、「インド・アラビア計数法」。一票も得なかったのが「蒸気機関」。
回答を寄せたのが、その道の論客たちだけあって、ひねくれた答えや禅問答めいたものもあったが、その理屈がまた面白い。知的なゲームだ。

これを主催したエッジではサイト上にThe World Question Centerを常設し、毎年テーマを変えてこの知的問答を続けている。
2004年のお題は、"What's your law?"(あなたの法則は?)で、結構面白い回答が寄せられている。

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2004.08.18

上岡龍太郎著「“隠居”のススメ」

副題「好き勝手に生きる」
芸能界を引退した後の暮らしぶりや考えが書かれた本。
実は上岡龍太郎という人をよく知らない。勿論テレビに映った姿は何度も観てはいたが、彼のレギュラー番組を定例的に視聴したことはない。ただ頭はよさそうな人だという印象はあった。そのうち選挙に出馬でもするのかなとも思っていたが、それはなかった。数年前に芸能界を引退したということもどこかで知ってはいたが、興味関心はなかった。その程度だ。
但し著者のこととは全く別に、「隠居」というものには、ずっと気になっていた。喰うために働くことから解放され、騒がしい世間と距離を置いた暮らしに憧れを持っていたのだ。
江戸時代の武士は40歳そこそこで隠居し、家督を子息に譲るのは珍しくなかったと聞く。「隠居」=「老後」ではなく、本当の意味での第二の人生だったろう。現代においても、何も定年退職まで働く義務はない。幕引きは自分で決めたいものだ。生涯現役も結構だが、何につけても長く続けるのは疲れるものだ。歳を重ねての痩せ我慢は勘弁願いたい。
著者上岡は実に58歳で芸能界を引退し、悠々自適な隠居生活をしている。弟子に言わせると凄まじい勢いで知識情報をインプットしているらしい。かと言ってそれを何かに役立てるつもりがないところが不気味らしい。
知性的に暮らしたいと願うならば、上岡の選択は正しかったように思えてならない。生き方を選ぶ権利は、全て本人にあるのだから。

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2004.08.15

「江戸東京たてもの園物語」

tatemono.gif先日この夏の暑い中、以前から訪ねてみたいと思っていた江戸東京たてもの園に行ってきた。とても素晴らしかったので、ミュージアム・ショップで、お土産にこの本を買って帰った。
江戸東京たてもの園を見学する副読本として最良なのは勿論、明治から大正、昭和初期にかけての東京の建物と、そこに住む人たちの暮らしぶりを身近に感じることができる良著でもある。
この本には、江戸東京たてもの園に家屋を移築提供した家族や、各界の著名人達が、たてものにまつわる想い出を書き寄せている。歴史的町並みを再現した他のテーマパークとは違い、この江戸東京たてもの園は本物を移築しているのである。
またこの本の企画編集にはスタジオジブリも加わっており、文を寄せている著名人の中には、男鹿和雄、高畑勲、宮崎駿も名を連ねている。特に宮崎は表紙のイラストを描き、男鹿は本文中に多くの魅力的な町並みを描いている。
この本を読んでいたら、秋の涼しい頃に、再び江戸東京たてもの園を訪れたくなった。
尚、この本は書店では販売していないそうです。

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2004.08.08

Ernest Ranglin "guitar in ernest"

ernest.jpgジャマイカのギタリストによるジャズ・カルテット。爽快でいて心なしかトロピカルな音色。ジャマイカだけあってカリプソのリズムでは、ギターのスイングがひと味違う。夏の夜には心地良い音楽だ。
1965年録音の復刻版をCDにて入手。存外な収穫。

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