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2004.01.31

Shostakovich "Symphony No.7 Leningrad"

この7番"レニングラード"は初めて聞いた。Valery Gergiev指揮による2001年の録音。
結構お腹一杯になれる大作だった。更にフィナーレを大音量で聞けば、ぐっすりと熟睡も出来る。
但しロシアの濃厚さを期待していたら裏切られた。勝手な印象としてはMahlerに近い。
思えばShostakovichには今まで関心がなく、せいぜいBernsteinが1979年に東京で振った5番のライブ盤が名演だと知って、所有していたに過ぎない。これは確かに熱演。
今後は他の作品も聞いてみようと思っている。

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田坂広志著「これから日本市場で何が起こるのか」

1999年の近未来予測。文体が平明で好感の持てる著作。
ここでの見通しを今検証してみると、確かにインターネットや携帯電話に代表される個人レベルでの情報受発信の激増は、個人の嗜好とライフスタイルを多様化し、世の中の姿を分類整理も出来ないほどに複雑なものにした。画一性こそむしろ不自然となった。集団や組織の役割も大きく変わり、個性を抑制する必要が薄れた。
但し言葉を裏返せば、情報量の増加は社会の結束を弱め、多くの人がバラバラに生きるようになったとも言えよう。この先バラバラになった我々は、どのように絆を再構築していくのだろう。
著者の見通しは概ね正しかった。但しこの本では暗い見通しには触れていなかった。明るさは暗く長い道の先にあるように思う。
読了後思った。雑踏の中でこそ孤独に襲われるものなのだと。

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2004.01.25

工藤かずや原作・池上遼一作画「信長」

再発コミック全8巻。但し最終第8巻は初出。待望の完結。
1980年代後半に第7巻まで単行本として発刊されたが、背景に描き込んだ城郭などの建築物が、ある写真家の作品からの模写だったため問題となり、最終の第8巻が未発刊のままになっていた。今回それらの問題をクリアしての全巻再発。当時第7巻まで買い揃え愛読していたが、本能寺を前に未完に途切れ、随分残念に思っていた。
織田信長を取り上げた小説やドラマ、映画、コミック類は数多くあるが、その中でも本作は最高傑作だと思う。
優れた小説家達ほど信長の巨像に距離を置いている。司馬遼太郎は「国盗り物語」で、信長ではなくむしろ光秀を書くことで信長像を描いている。ドラマや映画などの映像作品では、役者が信長のキャラクターに溺れて陳腐な出来になってしまっていることが多い。NHKの大河などはその悪例だ。
それらに比べ本作は信長の本質に迫り、その冷徹さが見事に表現されている。日本史上最強の独裁権力者であり、軍師も必要としない稀有の大戦略家が、いくつものエピソードを積み重ねて描かれ、読み手に殺気と共に迫ってくる。
ちょっと褒めすぎかもしれないけど、それほど読み応えのあるコミックだ。

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2004.01.22

田原総一朗著「結局、どうすりゃ売れるんですか。」

1999年当時のメディア界の仕掛人13人へのインタビュー集。
TVプロデューサーやメディア業界の経営トップなどは、本来裏方で有名人ではない。本書の登場人物もほとんど馴染みがないが、彼等の手掛けたものは誰もが知っている。しかし13人の個性や方法論はバラバラで、成功の方程式は見あたらない。全く十三者十三様だ。
それでも強いて共通していると言えば、冷静に自分自身を見ていることかもしれない。何をしてきたのかを明確に語っている。つまり自分が誰なのかといった迷いがない。成功者の特徴なのだろうか。迷わないことが成功や目標、夢への近道なのかもしれない。

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2004.01.21

「小泉純一郎の暴論・青論」

1997年に橋本内閣で厚生大臣だった時の本。エッセイ風の政策論と対談。
郵政三事業の民営化を「政治生命を賭けた主張」とし、他に医療制度改革や教育論について多くの紙面を割いている。小選挙区比例代表制を批判し、首都機能移転や首相公選制も提案している。外交や安全保障についての発言は少なく印象的なものはない。
首相公選制については首相となった今も、憲法改正のサイドメニューとして掲げているが、首都機能移転については石原東京都知事への配慮か今は沈黙している。
首相としての小泉純一郎は、嫌いではないが優れた政治家だとは思っていない。ただこの本を今にして読んでみると、政策論者としての素養はまずまずだなと、少しは見直した。国家のトップともなると、思ったことも言えず、少し気の毒でもある。政治家は無役のうちが花なのかもしれない。

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2004.01.18

宇徳敬子"氷"

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1996年の2ndアルバム。中古盤を500円で購入。新盤ではもう見かけない。
宇徳は作詞作曲の才能に優れ、歌唱にも味があり、1998年の3rd"満月"を当時愛聴していた。その3rd後アルバムのリリースがなく、残念な逸材だと思っていたが、昨年末にベスト盤を出した。昨秋にはTak Matsumoto(B'z)の"The Hit Parade"でも、オフコースの"時に愛は"を歌っていた。
ベスト盤ではなく新譜を待望している。

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竹村健一著「人を魅きつける力」

これもまたまた古本屋で入手。交友録集。テレビに関するメディア論も少々。
マクルーハンのとおり、テレビはハプニングメディアだ。そこに登場し魅力的たるのには、意外性を持つ者が有利だ。予想されるネタではなく、斬新な切り口からこそ、強い共感を引き出すことが出来る。
牛丼食い納めで吉野屋繁盛。雪が降れば、RSSリーダーにも雪ネタが積もる。共感できるハプニングなニュースなのだろうが…。雑多な情報が蔓延するblogをマクルーハンならば、何と評するのだろ。そんなことを思いながら読了。

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Hasidic New Wave "Live in Cracow"

Fiuczynski.jpg
David Fiuczynski(写真)が参加しているジャズ・ロック・バンドの1998年のライブ盤。
トランペット、サックス、ギター、ベース、ドラムスの5人編成。お目当てのFiuczynskiのギターソロは少し控え目。それでもバンドとしてのバランスが良く、民族音楽風の変拍子もグルーブしている。
FiuczynskiはScreaming Headless Torsos以来、非常に注目している。我が敬愛するMcLaughlinのベクトルを継承するギタリストだと思っている。つまり演奏技術&芸術性に十二分に優れているのに、活動分野がナンデモアリのために、評価が不充分のように思う。
Fiuczynskiは他にも、いくつかの活動を並行しているので目が離せない。

> http://www.torsos.com

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2004.01.17

堀紘一著「人と違うことをやれ!」

これもまた古本屋で仕入れたもの。
8割が与太話&自慢話。頭が疲れずに読み飛ばせる本。それでも2割には処世術の良いヒントが書かれていた。「最高の処世術は妥協することなしに適応することである」
この著者は、それほど理屈っぽくないので以前から好きだ。経歴が顔に出ていないところも、また好きだ。東大法学部→読売新聞経済部→三菱商事→ハーバードMBA

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2004.01.12

石原慎太郎著「日本よ」

1999年11月から2002年10月までに、産経新聞に連載したコラム集。
つくづく愛国者だなぁと感心する。その余りの故かの中国嫌いはいただけないが、外交と国防については流石に急所を突いている。とは言え、本書での過激な論述も確信犯のようにも読める。悪人を演じられるのも、優れた政治家の資質のようだ。小沢一郎しかり、野中広務しかり。
そもそも批判を受けないリーダーは、その責務を全うしていないことに等しい。リーダーシップには批判は付き物で、落胆を受けるよりもずっと良い。吉田茂も田中角栄も嫌われた分だけ愛された。
著者が先々国政を担うことには、期待する反面、そうならないで済むようであって欲しいとも思う。

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横山禎徳著「『豊かなる衰退』と日本の戦略」

著者曰く、日本の現状とこれからを考えるにあたっては、「成長」や「成熟」ではなく、「衰退」を大前提にすべきだそうである。その最大の根拠として、少子化による人口の減少を挙げている。
この認識の上に、著者はグランド・ビジョンと3つのシステム・デザインを掲げている。ビジョンとして「拡大首都圏構想」、システム・デザインとして「一人二役」、「二次市場の創造」、「観光立国」の三つを掲げている。
それぞれの着眼点は、読み物としては面白かった。しかし政策提案としては、的外れとは言わないまでも、場当たり的で小粒な印象を拭えない。
いずれにせよ、この種の著作が書店を賑わせているのが日本の現状だろう。談論風発、議論百出、まずは大いに結構だ。ちなみにこの本は、古本屋で新刊同然に積まれていたのを買ってきた。これもまた日本の現状なのだろう。

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2004.01.10

Bach "Concerto for 2 violins"

Bachのヴァイオリン協奏曲の中では、この作品番号1043が一番好きだ。今夜のような冬の寒い夜に、何故か聞きたくなる。2本のヴァイオリン以上に、チェンバロが耳に残る。
今夜は、Itzhak PerlmanとPinchas Zukermanのヴァイオリン、Daniel Barenboim指揮、English Chamber Orchestra演奏による、1971年の録音盤を聞いた。

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麻生圭子著「東京育ちの京都案内」

横浜で生まれ育ち、今は東京に暮らす我が身にとって、京都は著者同様に異文化の地だ。まさに観光で数度訪れたに過ぎない京都だが、時々思い出したように言ってみたくなる別格の場所だ。
この本では、観光地としての京都ではなく、そこに暮らす人たちや、ライフ・スタイルにフォーカスしている。手間暇をかけて古い着物を洋服に仕立て直す友人の話では、それを贅沢煮(たくあんをわざわざ二晩ほどかけて塩抜きして煮る料理)に例えている。その友人はその手間暇を単に好きだからと説明している。
秋葉原でジャンク品同然の中古パソコンを買ってきて、Linuxを入れて蘇らすようなものなのかなと思った。
それにしても、麻生さん、美人ですね。

著者のサイト > www.nishijin.ne.jp/keiko-aso/index.html

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2004.01.03

Kleiber Conducts Strauss 1989

正月の音楽といえば、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート。その中でも忘れられないのが、Carlos Kleiberが振った1989年。Kleiberはその後1992年にも再登場して名演を残しているが、衝撃度は初登場の1989年が勝る。あのときTV中継で観たKleiberは鮮烈だった。
特に「オペレッタ『こうもり』の序曲」は圧巻だった。全体に速いテンポと、過剰なまでの緩急と強弱には、それまでの優雅なシュトラウスを破壊したようにさえ思えた。しかし今こうしてCDで聞いてみると、この軽快さこそ本来の楽曲の楽しさを引き出しているようにさえ感じる。
またもう1曲「ポルカ『ハンガリー万歳!』」はウィーン・フィルが全力疾走している。この1曲を聞くだけでも、Kleiberはウィーン・フィルを本気にさせた数少ない指揮者の一人であることが確信できる。

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