カラスのハバネラ
カラスと言っても、カーカー鳴きません。
ビゼーのカルメンの中のハバネラ(恋は野の鳥)を歌います。
マリア・カラスは歌手であるということ以上に、役者なのだということがよく分かりますね。
カラスと言っても、カーカー鳴きません。
ビゼーのカルメンの中のハバネラ(恋は野の鳥)を歌います。
マリア・カラスは歌手であるということ以上に、役者なのだということがよく分かりますね。
さすが丸谷才一。とにかく巧い。これだけ作り込んだ小説を書いて、下品にならないのには、ただただ脱帽である。
乱暴に言ってしまえば、この長編は推理小説である。というか、丸谷才一の小説の多くは「謎解き」の仕掛けが組み込まれている。
本作の主人公は女性国文学者。大胆な仮説と論証で、グイグイ我々読者を引きづり込んでいく。
前半での「芭蕉はなぜ東北に行ったのか」には驚いた。ネタバレになるので書かないが、そんな理由を考えたこともなかったし、そんな学説も聞いたことがなかった。これって丸谷才一のオリジナルのアイデアなのか?
後半での源氏物語の幻の帳「輝く日の宮」については、そういう学説を聞いたことがあったので、ビックリには値しなかったが、これを最終章で再現してしまうところが凄い。
当然、謎解きだけではなく、学会やマスコミの内幕やら、男女のことなども巧くストーリーに絡ませて書かれている。
本当に面白い小説なのだが、多少文学の素養がないと楽しめないのが辛い。前半の鏡花や芭蕉はクリアしたものの、後半の紫式部と藤原道長のあたりはハードルが高かった。
それにしても丸谷才一は女を書くのが上手いなぁ。
日本でどの程度報道されているのか分かりませんが、大変なことが起こっています。
グルジアとロシアが武力衝突を起こし、すでに千人以上の非戦闘員が殺されているのです。現段階で宣戦布告をしているわけではないので戦争とは言えませんが、本格的な空爆も行われているようです。
ところがこの地域に関しては、日本人には馴染みのない場所なので、そもそもどこで、何が起こっているのか、よく分からないかもしれません。
左の地図のとおり、グルジアは黒海の東にあり、北にはロシア連邦に接しています。グルジアはGeorgiaと書き、英語ではジョージアと発音します。グルジアは1991年までソビエト連邦に加盟していましたが、ソ連の崩壊により独立しました。
今回の紛争となっているのは、グルジア北部のオセチアという地域です。このオセチアはグリジア人とは異なるオセチア人が住んでおり、グルジア共和国の中でも、南オセチア自治州とされています。この南オセチア自治州は1993年に、南オセチア共和国として独立宣言をしていますが、グルジア共和国はそれを認めておらず、国際社会も承認していません。
さてその南オセチアの後ろ盾になっているのがロシアです。ロシアは平和維持軍という名目で軍隊を南オセチアに駐留させていました。
以下、個人的な考察として、、、
ではなぜロシアがそれほどまでに南オセチアに肩入れするのかというと、理由は二つあります。
一つ目は石油です。カスピ海の石油を欧米に輸出する際、グルジアはパイプラインの中継ポイントになっています。カスピ海沿岸のロシア国内でも石油が出ますので、そう言う意味ではロシアにとってグルジアは商売敵の物流子会社のようなものです。グルジアはパイプラインを人質にロシアを見捨てて欧米に急接近しているのです。
理由の二つ目は、グルジアがNATO加盟を目指していることです。ロシアとしては踏んだり蹴ったりです。石油の利権を失い、喉もと(南側だから「股間」とも言える)にナイフを突き付けられているのです。
つまり状況的にはロシアが追い詰められているのです。追い詰められた猫がネズミに噛み付き出したようなもです。ロシアにとってオセチアは最後の切り札なのかもしれません。
国際紛争は力のバランスが崩れたときに生じます。今回も民族の自立などと言う綺麗ごとではないのです。
そこで今後の展開を予想してみましょう。
ロシア株式会社は今、プーチン会長とメドベージェフ社長の体制になりました。依然として実権は会長が握っていますが、社外的には社長を前面に立てようとしてます。蝮の会長は、社長に攻撃の火ぶたを切らせ、自分は火消し役になるつもりのようです。事実オリンピックの開会式出席で北京入りした会長は、「戦争は誰にとっても不要だ」と各国首脳に言い回っているようです。
ロシアがどこまで欧米の譲歩を引き出せるかが見物です。例えば国連の平和維持軍を引っ張り出せば、ロシアもそれに図々しくも加わることになるでしょう。そうすればグリジアのNATO加盟は当分お流れです。さらに上手くいけば、石油の蛇口としてグルジアの国際的信頼度を失墜させることができます。
ロシアの今回の一手は、勝ちはしないが、負けにはならない、引き分けに持ち込む戦略のようです。
さてそれに対する欧米諸国(特にNATO加盟国)は、案外ロシアの戦略に対してウエルカムなのかもしれません。彼らにしてみれば石油は欲しいが、軍隊(NATO軍)は出したくないのが本音です。つまりグルジアがNATOに加盟したら、民族紛争のたびにNATO軍を送らなければなりません。バルカン半島の苦い経験はもうコリゴリなのです。
そこまで考えると、今回の紛争は出来レースだったのかもしれません。オリンピックに花を添える余興だったのかもしれません。
更にアメリカ大統領選の両候補それぞれの立場から、考えてみるのも面白いですね。
んん、ちょっと飛躍し過ぎたかもしれません。不謹慎でした。

数週間前、ブリュッセルの街を歩いていたら、クラシックCD屋のショーウインドーに奇妙なDVDを見つけた。
AIDAとタイトルが大書されていたので、ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ「アイーダ」だとは分かったのだが、どうもそのジャケットに写っている褐色の不細工な女が気になった。目を凝らして見ると、SOPHIA LORENの文字が読み取れる。ソフィア・ローレン?
店に飛び込み、「あのショーウインドーのアイーダのDVDを見せてくれ」と頼むと、店主は心得たように「ソフィア・ローレンは歌っていませんけどね。珍しい映画ですよ」と手渡してくれた。
その不気味なDVDはしばらく我が家の居間に放置されていたが、今日勇気を出して観てみると、何とも奇妙な映画なのだ。
オーケストラとオペラ歌手による音声に合わせて、役者たちが口をパクパク動かしている。台詞は一切ないが、ときどき状況説明のための英語のナレーションが入る。弱冠19歳のソフィア・ローレンは主役のアイーダなのだが、エチオピアの女王でありながら女奴隷でもあるアイーダを演じるため、顔は黒塗りでシャネルズ状態、縮れ髪のカツラを冠り、折角の美貌も台無し。
とは言え、ソフィア・ローレン大好きの自分にとっては、この陳盤をコレクションに加えることができて結構満足している。でももう二度と観ないと思う。
CDを整理していたら、しばらく聴いていなかった映画音楽が何枚も出てきた。そのうちの数枚を聴いて一番面白かったのが、このMalcolm Xである。
黒人音楽史のコンピレーション・アルバムのようになっていて、1930年代から60年代までの当時の流行歌が聴ける。その中には、Billie HolidayやElla Fitzgerald、Ray Charlesの胸に染み入る声も聴けるし、John Coltraneのシュールな"Alabama"や、Duke Ellingtonの亜熱帯な演奏も楽しめる。
なかなかお薦めの1枚なのだが、実はこの映画を観ていない。
なぜこのCDを所有しているのか、謎だ。
今朝の日経新聞に載っていたコラムである。
著者は早稲田の先生で、専門は現代ドイツ文学なのだそうだが、このコラムはその片鱗がなく、大いに笑える。こういう文章は大好きだ。
コラムの内容は松永先生の空想の話。先生は任侠ドラマの中の「村の女その1・おまつ」。主人公である流れ者の素浪人との絡みのシーンもない地味な脇役。家は貧しい農家で、鶏を飼い、畑で野菜を育てている。たまに小料理屋を手伝いに行く程度で、貧しいながらも平和な日々を過ごす。
先生ここでフト気付く。これでは任侠ドラマにならないと。
ということで、おまつは事件に巻き込まれる。偶然に密売人の計画を知り命を狙われる。おまつは村を離れ、年老いた武道家に弟子入りしてキル・ビル風の必殺の武術を習得する。(先生、この展開はちょっと、、、)
おまつが村に戻ってみると、村はすっかり近代化され様変わり。密売人たちも既に捕らえられてもういない。
結局アクション場面が思いつかないと悟った先生は、別の設定でやり直し。
不可思議な事件が続いた。各地で突然精神に異常をきたした人たちが、通り魔殺人を引き起こす。犯人たちは一見何のつながりもないように思えたのだが、、、
これは現代の日本の話ではない。
1967年11月19日に放送されたウルトラセブン第8話「狙われた街」の筋書きである。金城哲夫が脚本を書き、名匠実相寺昭雄が演出した傑作だ。
ウルトラ警備隊が調査に乗り出すと、犯人たちは共通して、ある駅前の自動販売機でタバコを購入していた。ウルトラ警備隊は張り込みの末、その自動販売機にタバコを補充に来た怪しい男を尾行する。たどり着いたのは、(たぶん江東区あたりだろうか)運河に面した下町の木造アパート。ちょうど夕暮れ時で、空が赤く染まり、路地からはラジオのナイター中継が聞こえてくる。
満を持してモロボシ・ダンがアパートに踏み込むと、畳敷きの部屋にあぐらをかいたメトロン星人がいた。紳士的な態度でダンを招き入れ、彼らの企てを明かす。
「我々は人類が互いにルールを守り、信頼しあって生きていることに目を付けたのだ。地球を壊滅させるのに、暴力を振るう必要はない。人間同士の信頼感を無くすればいい。人間たちは互いに敵視し、傷つけあい、やがて自滅していく。」

最近日本から届くニュースを耳にするたびに、彼らの計画は着々と進行しているのだなと思う。

昨日に引き続き、ネットレーベルから無料で入手できる作品です。
Fresh Poulp Recordsというフランスのネットレーベルに公開されている、Guitoudという人の"Analogic Time"というアルバムです。
ジャンルは、エレクトリックなダブです。
とにかく驚くほど、非常に完成度が高い。重さと暗さの奥に深い芸術性があります。これまたジャケットも良いではありませんか。
本当に素人なのでしょうか? そもそも無料で自作を配布してるからと言って、アマチュアだとカテゴライズすること自体が無意味なのかもしれません。
これほど素晴らしい音楽が無料で手に入るとなると、もう金を出して音楽を買う時代ではないのかもしれない。何か社会の仕組みが大きく変わるような兆候すら感じます。ネットレーベルは社会学的に研究の価値ありですね。
試聴とダウンロードはこちら

ポーランドのalkorという人は偉い。立派です。
なぜなら彼は自作の音楽を、ネットレーベルを通じて無料で配布しているからです。それも素人とは思えないクオリティーの高い音楽です。ジャンルに当てはめると、アンビエントとエレクトロニカに入るかもしれません。ダウンロードできるmp3のビット・レートも、320kbpsという超高音質です。
ジャケットもなかなか立派なものですよね。
こうしてインターネットを通じて無料で自作を配信すると、世界中で沢山の人が、彼の音楽を楽しむことができます。これをもし、CDにして売ろうとしたら、彼の音楽は地元のCD屋で埃をかぶって終わるかもしれませんよね。
試聴は彼のMySpaceで
ダウンロードはKahvi Collectiveというネットレーベルのページから
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