2012.05.05

ラ・フォル・ジュルネでのトリオ・ヴァンダラーによるチャイコフスキー

Lafollejourneeaujapon
有楽町の東京国際フォーラムで開催されたクラシック音楽のフェス「ラ・フォル・ジュルネ・ジャポン」に行ってきました。開催3日間の内、初日と二日目に行って、七つの演奏会をハシゴしました。
会場はいずれもクラシックには不向きなホールでしたが、気軽に初心者にもクラシック音楽を楽しんでもらおうと言う意図が明確に伝わって来た企画で、非常に楽しいお祭りでした。
今年のテーマはロシア音楽だったので、大好きなラフマニノフとチャイコフスキーを狙って、演奏会のチケットを買い集めました。

その中で特に素晴らしかったのが、トリオ・ヴァンダラーによるチャイコフスキーのピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」でした。
Triowanderer
狭いホールの前から5列目の席だったので、チェロのピチカートまで良く聴こえました。
常に活動を共にするレギュラー・トリオらしく演奏に濃淡があって、胸ぐらを掴まれたような哀愁と、息を飲むような寂寞に満ちた名演でした。コーダの葬送では、図らずも涙ぐんでしまいました。
残念ながら彼らはまだこの曲をレコーディングしていません。取り急ぎ彼らにはレコーディング催促のメッセージを送っておきました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.04.26

御手洗瑞子著「ブータン、これでいいのだ」

Tamaco
ブータン首相フェローをしていた人が書いた本。非常にバランスの良い本。
ブータンのファンタジックな面ばかりではなく、インドと中国という両大国に挟まれた難しい外交政策や、バブル気味の経済、失業や医療問題についても書かれており、読み応えもあった。
GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)という概念による国家政策も、単なる理想論ではなく、よく考えられたビジョンであることも理解出来た。
もちろんブータンの人々のメンタリティーや暮らしぶりについても書かれており、特に立派な前国王の存在には心打たれるものがあった。素晴らしい政治手腕を発揮し、自ら民主化を推し進め、反政府武装勢力に対しては、自ら兵を率いて鎮圧したそうだ。

以下はラジオ出演した際のトーク。
TBS RADIO 954kHz 柳瀬博一・Terminal「The Point of View」2012年03月02日

先週、著者の話をお聞きするチャンスもあり、本にサインもいただいた。
本も面白いのだが、著者の今後の活動にも大いに注目している。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.04.14

中川右介著「二十世紀の10大ピアニスト」幻冬舎新書

面白く読めた。
クラシックのピアニスト10人の評伝。
10人を章ごとに紹介するような書き方ではなく、時代を追ってこの10人が入り乱れながら登場する。お互いの交流やライバル関係も、時間軸に沿って書かれており楽しめた。こういう書き方を「編年体」と言うそうだ。
また彼らの歴史的な録音も、CDとして要所要所で紹介されているのが良かった。
この本での10大ピアニストは以下の通り。

ラフマニノフ
コルトー
シュナーベル
バックハウス
ルービンシュタイン
アラウ
ホロヴィッツ
ショスタコーヴィチ
リヒテル
グールド

コルトーやシュナーベルなどは、あまり身近ではなかったので、彼らの人生は興味深かった。また比較的地味だが、個人的に好きなアラウを入れてくれているのが嬉しい。
ラフマニノフを入れるのは当然としても、ショスタコーヴィチをピアニストとして評価するのには無理があると思う。
自分としては、ショスタコーヴィチと、あまり好みではないリヒテルを外して、ミケランジェリボレットを入れてくれていたら、最高だった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.04.07

ジェイムズ・P・ホーガン著「星を継ぐもの」

Hoshiwotsugumono
今まで読んだSF小説の中で、最高傑作だと思っているのは、ホーガンの「星を継ぐもの」だ。
二十年以上前に読んだが、これを超える作品に未だ出逢っていない。
とにかく知的推理小説の最高峰とも言えるプロットが素晴らしい。

月面で5万年前の人間の遺骸が発見される。それも深紅の宇宙服を着て。
この巨大な謎が次々と解かれていくストーリーにはハラハラドキドキだ。

続編もいくつかあり、シリーズ化しているのだが、この一作だけで終わっていた方が、謎めいた余韻が永遠に残り、この作品の価値を更に高めたのではないかとも思っている。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

2012.03.27

加藤仁著「たった一人の再挑戦」

Tattahitorinosaichosen
副題「50代早期退職者の行動ファイル」
非常に素晴らしいルポルタージュだ。下手な短編小説集より遥かに奇妙な人生が描かれている。事実は小説よりも奇なりだ。
定年を待たずに会社を退職し、新たな道を歩んだ約40人の男達を丁寧に取材し、脚色や余計な教訓じみたコメントを加えずに書かれているのに好感が持てる。現実はハッピーエンドばかりではなく、むしろ道を誤ったような結末もある。
但し全ての事例に共通するのは、自分の判断で人生の選んだことだ。後悔を口にした者がいない。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.03.18

永井荷風著「濹東綺譚」

濹東綺譚は、中年を過ぎ初老へ向かう男にとってファンタジーだ。
主人公は麻布に住む小説家。女中を雇い、金に不自由はない。気の向くままに、小説のアイデアを練りながら、昭和初頭の東京を徘徊する。これは荷風そのもの。
夕立ちの玉の井で、傘に飛び込んで来た娼婦お雪と知り合う。
「年は二十四五にはなっているだろう。なかなかいい容貌である。」
お雪は男の正体を知らずに、通ってくる男と親しい関係を持つ。何の遠慮もなく、お互いを縛り合うこともなく、気楽でありながら、どこかで頼りにしているような関係だ。
季節はめぐり、お雪の容色と才智に惹かれながらも、男はお雪と距離を置き、やがて逢わないと決める。
全く世の男性読者にとって都合の良い小説ではあるが、男と女の仲は理屈では解けないものであるからこそ、この小説も名品として呼ばれているのだろう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.03.13

紀尾井ホールでの木嶋真優

Mayu2

3年前に絶賛した木嶋真優を、やっと目の前で聴くことができた。

木嶋は通好みの難曲をプログラムに揃えていた。
1曲目にイザイ編曲のロカテッリを選ぶこと自体、普通ではない。
2曲目のストラヴィンスキーのディヴェルティメントになると、エンジンも暖まり、聴く側もやっと耳が追い付いてくる。特に第4楽章のアダージョからコーダへの展開は圧巻だった。この単楽章だけで、一曲分のボリューム感があった。
休憩を挟んで、ベートーヴェンのクロイツェル。序奏は少し不安定な感じがしたが、第2楽章の変奏になると、軽やかさと深さのメリハリが効いて、グングン良くなってきた。木嶋はノリ始めると凄い。第3楽章ではパッションが炸裂していた。
プログラム最後のチャイコフスキーのワルツ・スケルツォからアンコールにかけては、エンジン全開状態でホール全体を鳴らしていた。

心地良い疲れに酔いながら紀尾井ホールを後にして、永田町駅までの静かな夜道を歩いていたら、ふと、アンネ・ゾフィーが以前「自分のスタイルは、エクストリームだ」と言っていたのを思い出した。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.03.11

Mark Bramley "Lost in Tokyo"

非常に素晴らしいビデオなのでシェアします。必見です。
Mark Bramleyという写真家が、Canon EOS 5D Mark IIで撮影したそうです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.03.10

前田靖一著「鮮烈・ビスマルク革命」

Bismarck
大著読了。
そもそもオットー・フォン・ビスマルクの評伝において、日本語で読めるものは限られている。ドイツ語であれば多少はあるのだが、流石にそれを読む意欲も、語学力もない。
誰もが漠然と認識している通り、ビスマルクは聖人君子などではない。策略の限りを尽くす典型的なマキャベリストだ。とは言え、オーストリーやフランスに戦勝し、ドイツの統一を果たした手腕は、並大抵の知謀ではない。喧嘩好きで、傲慢でありながら、緻密な思考と柔軟な戦略を持っていた。特に外交では、敵を味方にし、味方を敵にすることを繰り返し、自国を常に有利なポジションに置いた。
その一方で、上司である国王や皇帝との確執に心を痛めていた。
本著の不満を言えば、参謀総長のモルトケの登場場面が少ない。いくらビスマルクが政治家として優れていても、モルトケの軍事力なしでは、近隣国に強気の姿勢を貫けなかったはずだ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.02.12

Eyal Amir "Latin Dream"

以前しつこく紹介したProject RnLのEyal Amirが、女性ボーカルを使って新曲をリリースしました。
非常に素晴らしい。特にビデオが良い!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

«Whitney Houston "I will always love you"